ニュース 電子 作成日:2015年10月5日_記事番号:T00059636
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長は4日、低迷するハイテク産業の景気は来年第1四半期に回復が期待できるとの考えを示した。現在の不景気は在庫未消化による一時的なもので、年末には在庫消化が完了すると予測した。5日付工商時報などが報じた。
張董事長(左)は、中国ファウンドリーが3年で台湾を追い抜くとの市場予測について、「そんなに簡単ではない」と一蹴した(4日=中央社)
張董事長は、パソコン大手、宏碁(エイサー)の創業者である施振栄(スタン・シー)氏の新書『新時代・心王道』の発表フォーラムに出席し、景気見通しを語った。張董事長は、ハイテク産業の景気は確かに悪いが、ITバブルが崩壊した2000年、世界金融危機の影響を受けた08年ほどではないと強調した。
また、中国の「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」台頭が台湾ファウンドリー業界の脅威になっているとの市場の懸念について、張董事長は「私のオフィスの窓からはまだ『赤潮』は見えない」とユーモラスに回答。TSMCは技術、製造、顧客の信頼いずれの面でも中国をリードしており、数年前よりリードは広がっていると自信を見せた。
一方、中国での12インチウエハー工場建設の可能性については「まだ検討中」と説明。考慮すべき点が多く、長ければあと1年以上検討する可能性もあると語った。
アップル受注、「全て順調」
TSMCはアップルのスマートフォン次世代機種「iPhone7」に搭載が予想されるプロセッサー「A10」を独占受注したと先日報じられたが、張董事長は単一の顧客についてのコメントは避け、「現在全て予想通りでとても良い。アップルの新製品を今後も見ていけばTSMCが好調だと分かるだろう」と語った。アップルとの提携関係は、ライバルのサムスン電子より長く続くと暗示したとみられる。
花旗環球証券(シティグループ・グローバル・マーケッツ)の徐振志・半導体アナリストは、TSMCはiPhone6s/6sプラスに搭載された「A9」プロセッサーの約60%を受注し、タブレット端末「iPad Pro」搭載の「A9X」プロセッサーを合わせれば、「A9」シリーズ全体の受注比率は約45%と、外資の控えめな予測20〜30%を上回ったと予想。TSMCは50%以上を目標にしており、同社の16ナノメートル製造プロセスの売上構成比は今年の約3%から来年は18%へと一気に高まると予測した。
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