中国鋼鉄は6日、鉄鋼原料の値上がりを受け、第2四半期の熱延・冷延鋼材などの主要製品7種の域内価格を1トン当たり3,700~4,550台湾元(約12,400~15,300円)値上げすると発表した。値上げ幅は平均19%に上り、2004年第2四半期に行った22%に次ぐ、過去2番目に高い数字だ。値上げ後も依然、国際市場価格より100~200米ドル安い水準で、林文淵同社董事長は、域内の下流メーカーの競争力を維持するため、引き続き輸出量を減らして域内供給を増やしていく方針を表明した。7日付経済日報などが報じた。
最大値上げ幅21.8%
値上げ幅が最大なのは、棒鋼、鋼線で1トン当たり4,550元(21.8%)。最小は電気亜鉛めっきコイルの3,700元(13.8%)だ。このほか、▽熱延製品、4,000元(21.1%)▽冷延製品、4,000元(18.1%)▽鋼板、4,500元(19.1%)▽電磁コイル、4,500元(19.3%)▽溶融めっきスチールコイル、3,800元(13.5%)──だった。
中鋼は製品の域内向け価格について、国際市場より低い水準を維持してきたが、今回の値上げで、国際価格との価格差は従来の160~230米ドルから、100~200米ドルへと縮まっている。一時30%に上っていた製品の輸出割合を、現在は24%まで引き下げているが、域内企業重視の立場から、今後も低減させていく方針だ。しかし、現在でも既に、輸出先は海外の台湾企業が大部分を占め、日本や韓国の業者向けは2%以下だという。
原料コスト、利益を圧迫
現在、原料となる鉄鉱石の取引価格上昇幅は65~70%、石炭は100%以上で、中鋼の製造コストは40%上昇しているという。今回の値上げ幅は19%に過ぎず、原料コストを十分に反映しているとはいえない。関係者によると、同社の2月の利益は前年比で15%減少する見通しだ。
公共工事入札、「原料」と「工事」を別々に
鉄筋価格高騰の救済措置として、政府に補助金交付を要求している、建設業者の業界団体である中華民国営造工程工業同業公会全国聯合会と台湾区営造工程工業同業公会の試算によると、業界の損失額は100億元以上に上っている。
張俊雄行政院長は6日、原料コスト上昇による工事の中断を防ぐため、まだ入札募集を行っていない公共工事について、「原料価格」と「工事価格」の入札募集を別々にする方式を採用するよう経済部に指示した。
毎年各地で行われる公共工事の規模は約5,000億元で、この半年で建設コストが10~15%上昇したことにより、建設費用は500億元増加したとみられている。
台湾区営造公会の常任理事、台拓営造の羅世昌董事長によると、台北駅と桃園国際空港を結ぶ都市交通システム(MRT)空港線の300億元以上の建設工事では、建設業者に45億元の損失が出る計算となる。また、原料不足が深刻で、資金があっても買えない、買っても手元に届くまで5~6カ月かかり、工事が遅れるなどの問題も指摘した。