ニュース 電子 作成日:2015年10月13日_記事番号:T00059774
台湾IC設計企業に中国企業からの出資を条件付きで認める規制緩和を経済部が検討する中、業界最大手の聯発科技(メディアテック)が中国のスマートフォンサプライチェーン企業からの出資受け入れに意欲を見せている。経済部幹部が12日明かした。メディアテックは中国企業との異業種提携を通じ、中国のスマホ用IC設計最大手、展訊通信(スプレッドトラム・コミュニケーションズ)に対抗したい考えとみられる。13日付工商時報などが報じた。
中国資本による台湾IC企業への投資は現在、製造とパッケージング・テスティング(封止・検査)分野では条件付きで認められているが、設計は投資の他、同業間の提携も未解禁だ。経済部は台湾IC設計企業とサプライチェーンで垂直関係にある中国企業など、異業種提携を認める方向で検討している。ただしこの場合も技術や人材などの流出を防ぐため、中国企業が実効支配力を持つことを禁じ、専門審査にパスすることを条件とする。同業間の提携解禁の是非も今後検討する。
経済部によると、中国の半導体市場は2018年に世界の3割以上を占める見通し。経済部関係者は、最近はモノのインターネット(IoT)などICの革新的応用の多くが中国で誕生していると指摘。応用が規格を決めるため、台湾IC設計企業は中国企業と提携しなければ規格制定はもちろん設計でも先行できないと話した。
連合体形成、シェア維持図る
経済部関係者によると、中国のハイエンドIC設計市場は現在クアルコムが牛耳っている。メディアテックはミドル〜ローエンド市場をメーンターゲットにしているが、スプレッドトラムが中国政府による資本、政策面での強力な支援を背景に勢力を伸ばす中、苦戦を強いられている。このため中国資本を受け入れることで新たな連合体を形成して中国サプライチェーンに対抗、市場シェアを維持すべく、経済部に規制緩和を要求した。中国移動通信(チャイナ・モバイル)や小米科技(小米、シャオミ)など中国大手企業との異業種提携を検討しているようだ。
メディアテックは経済部の規制緩和検討について、「台湾IC設計業界はグローバル競争に直面しており、緩和は悪いことではない」との見方を示した。
人材引き留めが鍵
メディアテックの顧大為広報担当は、IC設計の中核的競争力の鍵は技術にあり、技術革新・開発の源は人材にあると指摘。台湾のIC設計業界はいかに人材を引き留めるかが重要だと話した。
中国企業による台湾のハイエンド人材引き抜きが相次ぐ中、経済部は中国ホワイトカラー人材の台湾での就労に関わる規制緩和も検討している。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722