ニュース 社会 作成日:2015年10月19日_記事番号:T00059859
先日、本欄では飛行中の中華航空(チャイナエアライン)機内で、乗客の台湾人女性(37)が出産し、同社が祝儀として生まれた赤ちゃんに永久フリーパスを授与するのではないかと注目されているという話題をお伝えしたが、この出来事について元客室乗務員が「出産した女性は子供に米国籍を取らせるため、妊娠を隠して搭乗した」と暴露。自分勝手な理由で子供の命を危険にさらしたばかりか、他の乗客や航空会社に迷惑を掛けており、決して「おめでたい」ことではないと痛烈に批判した。
送還された女性。終始ジャンパーで身を隠し、桃園空港を後にした(17日=中央社)
交通部民用航空局(民航局)によると、妊婦の航空機への搭乗について「民用航空法」に特別な規定はなく、各航空会社が個別規定を設けている。中華航空では妊娠32週を過ぎた場合は1週間以内に発行された医師の診断書が必要となり、4週間以内に出産の可能性がある場合は搭乗を拒否すると規定している。
しかし、中華航空の元客室乗務員「小陳」が自身のフェイスブックページに書き込んだ記事によると、飛行中に出産した女性は、桃園国際空港で搭乗手続きをする際、ゆったりとした服を着て意図的に妊娠を隠してチェックインを済ませ、さらに離陸前に陣痛が始まった時も客室乗務員に「お腹にガスがたまっているだけ」と説明したという。
しかも離陸して約6時間後に上空で破水し、速やかに自然分娩する必要が生じた際もこれに同意せず、乗務員に「米国の領空に入ったか」と尋ねたという。なお同機に乗り合わせた医師が問診したところによると、彼女の妊娠週数は36週だったそうだ。
彼女は緊急着陸することになったアラスカ州アンカレッジ空港へ到着する30分前に無事、女児を出産。米国の規定では同国の領空で誕生した子供には米国籍が与えられ、台湾の航空警察局によると、女児は母親の願い通り米国籍を取得したという。
なお、彼女はまだ飛行機に乗れない子供をアンカレッジの知人に預けたまま、米当局から台湾へ送還され、17日に台湾へ戻った。送還理由については不明だが、航空会社関係者は、ノービザでの渡航申請時に事実を記載しなかったためと考えられると指摘している。
台湾では芸能人などが子供に米国籍を取得させるため、渡米して出産するケースが多く、今回もこうした風潮に影響を受けたケースとみられる。しかし産婦人科医は、航空機に医師が搭乗しているとは限らず、出産用の器材もないため、妊婦や子供の命に危険が及ぶ可能性があったと指摘している。
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