ニュース その他分野 作成日:2015年10月21日_記事番号:T00059939
経済部統計処が20日発表した9月の輸出受注は前月比18%増、前年同月比4.5%減の413億5,000万米ドルで、今年最高となった。アップルの新型スマートフォンiPhone6s発売を受け、情報通信機器の輸出受注は9月としての過去最高を記録した。林麗貞統計処長は、スマホブランドの調達で年内は例年通り需要期が期待でき、今年通年の輸出受注の減少幅は5%以内に収まると予測した。21日付経済日報などが報じた。
林統計処長は、9月の輸出受注が予想以上に良かった主因は、ある国際スマホブランドの新製品発売で、組み立てなど関連メーカーの受注が大幅に増えたことと説明した。第4四半期の輸出受注は月400億~420億米ドルを推移し、前年同月比10%減を超える減少幅はなく、前期を必ず上回ると予測した。こうした発言から、通年の輸出受注は前年を下回るものの、過去2番目の高水準が予想される。
統計処はまた、台湾元建てなら9月の輸出受注は前年同月比3.4%増だったと指摘した。前年同月より台湾元が米ドルに対し8.3%下落したためで、企業に為替差益と価格競争力の向上をもたらした。
一方、海外生産比率は59%、中でも情報通信機器は93.3%と、いずれも過去最高の割合になった。輸出受注100米ドルのうち、台湾の投資、就業への効果は41米ドルにすぎないという意味だ。
年末商戦向け、在庫積み増し
品目別の9月輸出受注は、情報通信機器が135億5,000万米ドルで前月比37.3%増、前年同月比5.4%増だった。電子機器は105億3,000万米ドルで前月比17.4%増、前年同月比5.6%減だった。中国の経済成長鈍化、モバイル端末需要の弱まりによる半導体メーカー顧客の在庫調整、日本からの液晶テレビの受注減少が響いた。
その他品目は、▽液晶パネルなど精密機器、24億米ドル(前月比10.6%増、前年同月比15.9%減)▽汎用金属、19億3,000万米ドル(前月比4%増、前年同月比19%減)▽プラスチック・ゴム、16億7,000万米ドル(前月比5.8%増、前年同月比13.4%減)▽化学品、16億3,000万米ドル(前月比16.2%増、前年同月比8.2%減)▽機械、16億1,000万米ドル(前月比1.1%増、前年同月比14.3%減)──と、クリスマスシーズンに向けた在庫積み増しで軒並み前月を上回ったが、前年同月比ではいずれもマイナス成長となった。
中国減速・現地調達に懸念
国・地域別では、中国・香港からの輸出受注が93億8,000万米ドルで前月比8.3%増ながら前年同月比では9.8%減だった。5カ月連続の前年同月比2桁マイナス成長は脱したが、マイナス成長自体は8カ月連続で、世界金融危機以降で最長となった。
中国国家統計局が先日発表した第3四半期の国内総生産(GDP)成長率は6.9%どまり。林統計処長は、中国経済の減速が台湾の受注に影響することは確かだが、中国政府が対策を講じれば、台湾の受注につながると指摘。ただし、中国のサプライチェーン現地化推進で、台湾が受けられる恩恵は減少するとの見方を示した。
その他の国・地域からの輸出受注は、アップルのスマホ新機種効果で、▽米国、114億3,000万米ドル(前月比20.5%増、前年同月比0.6%増)▽欧州、92億8,000万米ドル(前月比66.8%増、前年同月比1.8%増)──は前年同月比プラス成長だったが、▽東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国、42億9,000万米ドル(前月比2.7%減、前年同月比5.4%減)▽日本、27億7,000万米ドル(前月比4%増、前年同月比16.7%減)──はマイナス成長が続いた。
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