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「中台関係に譲歩ムードうせた」=江丙坤氏


ニュース その他分野 作成日:2015年10月22日_記事番号:T00059946

「中台関係に譲歩ムードうせた」=江丙坤氏

 財界交流団体、中華民国三三企業交流会(三三会)は21日役員改選を行い、知日派で台湾の対中窓口機関である海峡交流基金会(海基会)の董事長などを歴任した江丙坤氏が引き続き理事長を務めることが決まった。江理事長は経済日報のインタビューに対し、中台関係について「政治的に譲歩ムードがなくなった」と述べた。


江理事長は21日に台北市で開催された河北省との経済交流イベントで、双方の提携強化を呼び掛けた(21日=中央社)

年内妥結に疑問視

 中台のサービス貿易協定、物品貿易協定に進展がないことについて江理事長は、「私(元海基会董事長)と行政院大陸委員会(陸委会)の頼幸媛元主任委員が離任した後で結ばれたサービス貿易協定は、範囲が広く、説明も困難だ」と指摘。一方、物品貿易協定については、「中国が経済面で細かい点にこだわり、政治的にも既に譲歩ムードがないことが問題で、今年(交渉を)終えられるか懸念される」と語った。

 今後の中台政策については、「両岸(中台)関係で重要なのは1992年の共通認識(92共識)『1つの中国、それぞれの解釈』であり、両岸いずれも92共識を受け入れたのだから、それに基づき交渉を継続すべきだ」と指摘。「馬英九総統の選挙公約にあった平和協定が、『現状維持』に続いて達成すべき目標だ」と述べた。

地域経済統合参加を

 江理事長は新総統への期待について、「大陸(中国)が大きいからチャンスが多く、台湾は小さいからチャンスが少ないと言えるのか」と問い掛け、「台湾は積極的に大陸に進出し、国際関係の改善にも努め、域内の経済統合へ加わるという目的を達するべきだ」と訴えた。

 民進党の総統候補、蔡英文氏が掲げる「新南向政策」については、「私が以前、南向政策に取り組んだ当時は、主に対中投資を分散させることと、台湾と東南アジアの関係を改善することが目的だった」と振り返り、「東南アジアは資源が抱負で人口も多く、台湾企業が現在1万社余りあるが、既にインドネシア、フィリピン、ミャンマーを除けば、空間は大きくない」との考えを示した。

日本の中小企業誘致に意欲

 三三会が毎年日本を訪問する理由については、「台湾は依然資金面や技術面の支持を必要としている」と述べ、「日本の中小企業は後継者不足に直面している上、国際感覚を欠いているが、非常に進んだ技術を持っている」、「東日本大震災に対する台湾人の心のこもった寄付や支援は多くの日本企業の台湾に対する印象を深めた」と指摘し、「現在中日関係が悪化しており、台湾が日本企業を誘致する上では好機だ」と訴えた。