ニュース 社会 作成日:2015年10月28日_記事番号:T00060048
9月、病気療養のため台湾を訪れていた香港の実業家、黄煜坤さん(68)が新北市の路上で誘拐された。警察は26日、誘拐に関わったとみられる容疑者15人を逮捕。27日、雲林県に監禁されていた黄さんを38日ぶりに無事保護した。
1カ月以上も人質にされていた黄さん(中)。救出後に「死ぬものと思っていた」と話した(28日=中央社)
黄さんは広東省出身で、18歳の時に密航で香港に渡った。レストランで料理人として働いて名を上げた後、株式や不動産投資で成功して200億香港ドルに上る莫大な財産を築いた。不動産の他、通信、金融、石油など幅広い事業に投資しており、現在は東方明珠石油(パールオリエンタルオイル)の董事局主席(取締役会長)を務めている。
ただ米国で石油事業に投資した際に詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)に関わったとして起訴されており、今年2月に保釈が認められた後、療養のために台湾に滞在していた。
そんな黄さんは先月20日、新北市にある滞在先の住居近くの路上で突然2人の男に囲まれ、無理やり車に乗せられて連れ去られた。家族から連絡を受けた警察は、監視カメラの映像を基に捜査を進めたが、その後犯人から一向に身代金要求の連絡がなかったため、捜査は行き詰まっていた。
しかし今月17日、家族の元に犯人からとみられるメールが着信。黄さんの妻に「お前の主人はわれわれに借金がある。7,000万香港ドルを支払えば人質を開放する」と要求し、別の電話で「払えなければ人質の脚を切り、目をえぐる」と脅迫していた。
なお犯人は、身代金をインターネット上の仮想通貨「ビットコイン」で支払うよう要求したが、警察には同通貨に対する専門知識がなく、ビットコインで身代金が支払われた場合、追跡は不可能だったことから、人質の無事は確認できていなかったものの、犯人が金を受け取る前に決着を付けることを決断。犯人グループの1人が桃園国際空港から出境しようとしていたところを逮捕し、その後芋づる式に共犯者14人を拘束した。
さらに警察は入手した手掛かりを基に、黄さんが雲林県内で監禁されていることを確認。27日に同県口湖郷埔南村の空き家で無事、黄さんを保護した。なお、警察は今回の誘拐事件には同郷の隣にある四湖郷渓尾村の村長が関わっており、人質の監禁場所を手配したとみている。同村長は主犯の男と友人関係にあったようだ。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722