ニュース 電子 作成日:2015年10月29日_記事番号:T00060098
アップルが28日発表した7〜9月期業績は前年同期比20%以上の増収増益となったが、複数の懸念材料が浮上し、タッチパネルの宸鴻集団(TPKホールディング)や組み立ての仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)など台湾のサプライヤーへの影響が不安視されている。アップルはタブレット端末、iPadの同期販売台数が5四半期連続で2桁減となった他、大中華圏市場では2四半期連続で前期比減収となり、市場は中国のスマートフォン需要鈍化を懸念している。29日付経済日報などが報じた。
アップルの7〜9月期売上高は515億米ドルで前年同期比22%増、純利益は111億米ドルで30.5%増だった。同社はiPhoneの販売台数が4,804万台と22%増加し、同期としては過去最高となったことなどが貢献したと説明した。
iPadは依然振るわなかった。同期販売台数は988万台で前年同期比20%減少した。販売台数は7四半期連続で減少している。主にiPad向けを受注するTPK、コンパル、バッテリーの順達科技(ダイナパック)などには厳しい結果となった。証券会社は、iPhoneの組み立ても受注する鴻海精密工業と異なり、コンパルはiPad miniしか受注しておらず、iPad不振による影響が最も大きいと指摘した。
アップルは11月より12.9インチの大画面タブレット「iPad Pro」を販売する予定だが、5インチ以上の大画面スマホがタブレット市場を侵食する中、アップルも影響は避けられず、同機種の組み立て、部品サプライヤーが打撃を受けそうだ。
中国依存に懸念
アップルは大中華圏市場の7〜9月期売上高が125億1,800万米ドルで、前年同期比では99%増とほぼ2倍に増えたが、前期比では5%減少した。中国のスマホ需要が鈍化すれば、iPhoneを組み立てる鴻海や和碩聯合科技(ペガトロン)などに影響が及ぶ。
アップルは大中華圏市場の売上高構成比が24.3%に達し、米国の42.3%に次ぐ第2の主要市場となっている。アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国市場は今後も成長し、同社最大の市場になると楽観視しているが、成熟しつつある同国市場への依存を懸念する声も出ている。
iPhone比重62%
iPhoneへの過度の依存も懸念されている。iPhoneの7〜9月期売上高構成比は62.5%に達し、単一製品への依存が依然強い。今後発売されるiPhone新機種に新味がなく、需要が落ち込むようであれば、アップルの業績成長にブレーキがかかり、台湾のサプライヤーへの影響は必至だ。
鴻海に最大の恩恵
アップルは10〜12月期のiPhone販売台数は前年同期の7,446万台を上回り、過去最高を更新すると予想している。同期は9月以降に発売した最新のiPhone6s、iPhone6sプラスの販売台数が丸ごとカウントされる。証券会社は、鴻海の第4四半期売上高は1兆6,000億台湾元(約6兆円)と前期比約6割増加し、今年通年では4兆6,000億元と前年比9%増加する可能性があると予想した。
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