ニュース 石油・化学 作成日:2015年11月2日_記事番号:T00060140
旧日本海軍の第6燃料廠を前身とする台湾中油(CPC)の高雄製油所(高雄市楠梓区)が31日、稼働を全面的に停止し、70年以上にわたる歴史に幕を閉じた。1日付聯合報などが報じた。
最後の稼動日となった31日、長きにわたり高雄製油所に勤めたベテラン従業員の中には所内を一周し、別れを惜しむ姿も見られた(中央社)
CPC高雄製油所はかつて46基のプラントを抱える台湾最大の石油製品、石化原料の供給基地となっていたが、87年に同地に第5ナフサ分解プラント(通称五軽)の増設計画が持ち上がった際、長年大気汚染に苦しめられてきた地元住民が激しい反対運動を展開。政府は五軽の使用年数を2015年までの25年とし、その後、高雄製油所を移転することを条件に計画の推進に同意を得ていた。
今後は約2年をかけて残留した油やガスの除去、プラント設備の撤去を進めた後、土壌と地下水の清浄化に取り組む。
跡地は「生態公園」へ
なお177ヘクタールにおよぶ広大な敷地の将来的な活用方法については、現時点でCPCと高雄市政府および地元住民の間では、高汚染エリアを「生態公園」とすることで共通認識が形成されている一方、軽度の汚染エリアにはグリーンエネルギー産業園区、高付加価値石化園区、または商業エリアとするなどさまざまな意見が上がっている。
ただ一方でCPCは、敷地内に残されたオイルタンクの貯蔵および送油機能について「25年前の合意の中に含まれておらず、別々に処理すべき」と主張。同タンクは軍向け、全土のガソリンスタンド向けに燃料を供給しており、閉鎖すれば台湾の国防と経済に影響が及ぶと強調した。しかし地元住民らは反発している。高雄市政府は「中央政府が解決に当たるべき」と指摘した。
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