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台北101の年越し花火、今年で見納めか


ニュース 社会 作成日:2015年11月5日_記事番号:T00060203

台北101の年越し花火、今年で見納めか

 台北101の年越し花火が今年で最後となる可能性が出てきた。台北101の劉家豪広報担当は4日、今年の経費は過去最高の4,500万台湾元に上るが、不景気でスポンサー集めが困難だと指摘。十分な協賛が得られなければ自腹を切ってでも今年は開催するが、来年は花火にライトアップを組み合わせるか、完全にライトアップショーに切り替えるかを検討していると明かした。

 大みそかの恒例イベントとなっている台北101の年越し花火は今年で11回目を迎える。今年は過去最長の238秒間に3万発を打ち上げる予定。魚型の花火を目玉とし、黄金色の魚型の花火が夜空やビルの外壁を泳ぐほか、中華民国建国100週年の2011年と同じように、周囲のビル5棟以上に打ち上げに加わってもらうことを計画していた。

 しかし、打ち上げ時間を年々延ばしてきたことに加え、内容に斬新さを求めるあまり、経費は毎年増えてきた。劉広報担当によると、今年6月からスポンサー集めを開始したが、協賛を申し出てきたのは賭博業者や酒類販売業者などで、企業イメージを考慮しつつ協賛募集は依然続けている。本番までの準備には1カ月以上かかるため、遅くとも今月半ばにはスポンサーの第1次選考を行う必要があるが、見通しは不明だ。

 また、年越し花火はそもそも台北101の中核事業ではなく、集まった観光客らで周囲のホテルなどは潤うが、準備に多大な費用と時間をかけた台北101には利益が入らないとのことだ。

 さらに、台北101は「世界で最も高いグリーンビルディング(緑の建築)」とうたっているが、ビルから派手に打ち上げられる花火は環境保護の面から論議を呼んでいる。劉広報担当は、花火を全面的に発光ダイオード(LED)のライトアップに切り替えれば、台北101のイメージアップにつながると指摘。当初計画ではまず今年末にビルの先端、来年以降に胴体の部分にLEDライトを付け直す。費用は数千万元を見込む。

 LEDライトアップショーとなれば確かにエコで安全だが、物足りなさを感じる人も多いはず。本格的な花火は今年で見納めとなる可能性があるため、足を運んでみてはいかがだろうか。