ニュース 電子 作成日:2015年11月5日_記事番号:T00060225
タッチパネル最大手、宸鴻集団(TPKホールディング)が4日発表した第3四半期純損益は193億9,000万台湾元(約730億円)の赤字だった。赤字は3四半期連続。減損処理189億6,500万元が響いた。1株当たり純損益(EPS)はマイナス55.15元と、台湾株式市場で過去最低となった。市場では、資金調達の難易度が増すと懸念されている。5日付経済日報などが報じた。
劉詩亮財務長は、減損は第5.5世代平潭工場(福建省)など老朽化した設備が161億2,500万元、競争力を失ったカバーガラスなどの生産部門が20億7,500万元を占め、同社が19.9%出資する達鴻先進科技(CANDO)が7億6,500万元と説明した。
同社の第3四半期連結売上高は342億4,000万元と前期比44.2%増加した。一方、現金および現金同等物の期末残高は272億2,000万元。銀行からの借入金は531億6,000万元で、うち474億元は1年以内に返済期限が到来する。劉財務長は、中国銀行と20億人民元(約380億円)の債券発行を契約済みで、うち10億人民元の債券を来年第1四半期に発行し、資本構造を強化すると説明した。
江朝瑞董事長は、これほど競争が激化するとは想定外だったと話した。タッチパネル業界は、2007年にアップルのiPhone発売以降、スマートフォン、タブレット端末など搭載機種が増え、江董事長によると「当時は楽に稼げた」が、その後ウィンドウズ8が振るわず、ノートパソコンへの搭載が進まなかった上、2013年以降は中国メーカー200社以上が参入したことで、供給過剰、価格の下振れ圧力にさらされている。TPK傘下のCANDOは過去5年連続の赤字で、先月末にはサプライヤーへの代金支払いを停止しているとの市場観測が浮上した。
江董事長は、最悪の状況は終わったはずだと語った(4日=中央社)
金庫株2万株
TPKは董事会で、2カ月以内に2万株の自社株買い(金庫株)を実施することを決議した。発行済み株式の5.7%に相当する。一方、CANDOから求められた債務保証は承認しなかった。江董事長は、CANDOに対し業務上の支援は行うと語った。
主要取引銀行の兆豊国際商業銀行(メガ・インターナショナル・コマーシャル・バンク)幹部は、TPKの大幅赤字は減損が主因で、キャッシュフローに影響はなく、本業では利益が出ているため、融資削減は考えていないと話した。
自社株買い発表を受けてTPKの株価は4日、前日比3.84%上昇の91.9台湾元で引け、5日はストップ高の101元で取引を終えた。
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