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セレブ一族で骨肉の争い、財産めぐり四男が兄2人殺害


ニュース 社会 作成日:2015年11月6日_記事番号:T00060229

セレブ一族で骨肉の争い、財産めぐり四男が兄2人殺害

 資産総額180億台湾元以上の企業グループ、美福集団の創業一族の間でこのほど、財産の分配をめぐるいざこざが発生。兄弟の1人が2人の兄を銃殺後、自殺するという暴力団さながらの事件が発生した。


五男の黄明堂氏(中)は「兄を3人も亡くした」と語り、落胆した様子を見せた(5日=中央社)

 美福集団を創業した故・黄栄図氏は台北市大直地区のショッピングモール、美麗華百楽園(ミラマー・エンターテイメント・パーク)などを経営する美麗華集団の創業者一族と血縁関係にあるが、1963年に独立して起業。食肉の輸入・加工、乳製品の生産、飲食業、物流業など幅広い事業を展開してひとかどの資産を築いた。

 そんな黄氏は最初の妻との間に5人の息子をもうけたが、彼が14年前に亡くなった後、美福集団は三男の黄明仁氏(55)が董事長となって引き継ぎ、他の兄弟が支えるという形で経営を維持してきた。

 しかしそんな創業者一族の間で、四男の黄明徳氏(54)が頭痛の種となっていた。彼もグループの董事となっていたものの、名ばかりで事業には全く関与せず、しかもちょっとしたことですぐに怒りを爆発させる性格から家族に疎まれていた。

 この問題児の四男は、一度結婚したものの離婚して一人暮らしとなり、他の家族は彼が普段どこで何をしているか分からなかったが、黄明仁氏と次男の黄明煌氏(58)だけが気に掛けて経済的な援助を行っていたそうだ。

 そんな一家は5日午前、財産の分配や税金対策について話し合うため、台北市にある本社ビル7階の一室で家族会議を開いた。この会議には米国に住む長男を除く4兄弟が出席したが、ここで四男が「自分の分け前は少ないのに税金の負担は大きい」などと不満を爆発させ、次男との間で言い争いとなったため、わずか30分ほどで解散となった。

 しかし、怒りが収まらない四男は部屋から出ていこうとする次男を制止。再度激しく言い争った後、いきなり隠し持っていた銃で相手の頭部に向けて発砲した。さらに四男は、銃声を聞いて室内に駆け付けた三男にも銃弾を浴びせた。

 この光景を見た五男(52)からの通報を受けて駆け付けた警官が部屋の中に踏み込むと、床に倒れて既に事切れている次男と三男、窓のベランダ部分に立って自分の喉に銃を当てている四男の姿を発見した。そして四男は「早まるな」との警官の言葉を無視し、無表情のまま引き金を引き、階下に落下。帰らぬ人となった。

 他の家族によると、四男はそううつ病を患っていた可能性があるが、医者にはかかっていなかったそうだ。セレブ一族の問題児が、唯一自分の身を案じていた兄2人を道連れに自殺したという何とも救いのない話だ。