ニュース 社会 作成日:2015年11月11日_記事番号:T00060312
台湾でも放映されて人気を博している日本のテレビドラマ「孤独のグルメ」で、9月末に台湾で初の海外ロケーションが行われた。そのとき撮影された回は10月23日に日本で放送され、舞台となった食堂を訪れようとする日本人観光客もいたようだ。しかし現地を訪れた彼らは、ドラマに登場した料理を口にすることはできなかった。
松重豊(中)と生前の邱さん(右)、妻の張さん。一度きりのスリーショットとなった(全台小吃部フェイスブックページより)
孤独のグルメ台湾編の舞台になったのは宜蘭県羅東鎮にある台湾料理食堂の「全台小吃部」。劇中では同店のテーブルいっぱいに並べられた三星葱炒臘肉(ネギと干し豚肉の炒め物)、チャーハン、ハマグリスープ、紅糟排骨(豚肉の紅麹揚げ)などを、松重豊演じる主人公の井之頭五郎が次々と平らげる姿が視聴者の食欲を誘った。
ドラマの中の料理があまりにもおいしそうだったためか、同回の放送後、複数の日本人観光客が全台小吃部を訪れて自分の舌で味わってみようと考えたようだ。しかし店を訪れた彼らが目にしたのは、店の前に掲げられた「譲渡」の張り紙だった。
実は全台小吃部の店主で同店の料理を調理していた邱明華さん(56)は、ドラマの放送日前日の10月22日に心筋梗塞で倒れ、帰らぬ人となっていた。邱さんはその日、最後の客を送り出した後に店内で倒れたそうで、妻の張碧玉さんは「最後の瞬間まで料理人だった」と声を詰まらせた。
全台小吃部の常連客からも「もうあのチャーハンは食べられないのか」との嘆きが聞かれる中、張さんは一時、別の料理人を招いて店を続けようとも考えたが、夫の味を再現できないのではとの懸念から最終的に店を手放すことを決めた。
なお張さんは「料理に情熱を持っている人に引き継いでもらいたい」「庶民でも味わえるおいしいものを作ってほしい」と語っている。ただ、店名は変更を希望しており、全台小吃部はドラマの中で生き続けることになる。
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