ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

iPhoneが1日10元以下、遠伝が携帯レンタルサービス


ニュース 電子 作成日:2015年11月17日_記事番号:T00060441

iPhoneが1日10元以下、遠伝が携帯レンタルサービス

 通信キャリア大手、遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)は16日、アップルの「iPhone6s」などスマートフォン上位機種を1日当たり10台湾元(約38円)以下で借し出すサービスを開始した。第4世代移動通信システム(4G)データ通信が使い放題となる月額料金1,399元以上の2年契約が条件だ。同社は、ターゲットは15~35歳と想定しているが、企業が従業員に業務用として貸与するニーズもありそうだ。17日付経済日報などが報じた。

 遠伝の携帯電話レンタルサービスは、台湾の通信業界で初めての試みだ。▽「iPhone6s」、「iPhone6sプラス」▽サムスン電子の「ギャラクシーノート5」(32GB)▽ソニーの「エクスペリアZ5」、「エクスペリアZ5プレミアム」▽宏達国際電子(HTC)の「バタフライ3」──と、購入すれば本体が2万元以上するハイエンドスマホ6機種が月297元から借りられる。

 iPhone6s(16GB)を借りた場合、レンタル料金は1カ月297元、2年で7,128元。従来通り2年契約を締結した場合、本体の購入に1万1,900元かかるので、レンタルなら4,700元節約できる計算だ。レンタル期間中に故障した場合はユーザーが修理費用を負担、本体返却時に紛失したり、故障していた場合にも別途支払いが必要だ。

買うより借りる時代に

 遠伝は、世界経済が低迷する中、特に台湾人口の3割、660万人を占める15~35歳のミレニアル世代は、ハイテク機器を好むが、お金に細かく借りられるものは買わない消費スタイルだと指摘した。

 趙憶南・遠伝副総経理は、米国で同様のサービスが成功しており、同社はサービス導入で新規申し込みが2割増えると予測した。

 鄭智衡・遠伝営銷長は、同社4GユーザーのARPU(1契約当たり月間売上高)は1,100~1,200元、iPhoneユーザーは1,700~1,800元だが、携帯電話レンタルサービス導入でARPUを引き上げられると期待感を示した。鄭営銷長は、台湾の携帯電話レンタルの潜在市場を200万ユーザーと見込んでいる。また、2025年に世界のレンタル市場売上高は6,700万米ドルと、現在の3.6倍に拡大するとの予測を示した。

同業他社、追随せず

 消費者からは「iPhone6sプラスを使いたいが、購入するには高過ぎるのでレンタルを検討する」「1カ月の負担が1,696元と安くなく、申し込まない」などの声が聞かれた。

 3C(コンピュータ、通信、家電)専門家、達人電脳王站の阿達氏は、月額料金が高いので、学生には支払い切れず、申し込むのはビジネスパーソンになると予測。海外の同様のサービスでは、レンタル業者が修理費用を負担するが、遠伝はユーザー負担なので、割に合わないと指摘した。

 中華電信、台湾大哥大(台湾モバイル)、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)、台湾之星電信(台湾スターテレコム)の業界他社は、追随しないと表明した。

【表】