ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

台鉄が「鉄道旅館」開業へ、17年より8駅が宿泊可能に


ニュース 社会 作成日:2015年11月30日_記事番号:T00060653

台鉄が「鉄道旅館」開業へ、17年より8駅が宿泊可能に

 台湾鉄路(台鉄)は早ければ2017年、全土8駅で宿泊可能な「鉄道旅館」を開業する計画だ。

 「鉄路法」の従来規定では、台鉄駅での旅館やホテル経営はBOT(建設、運営、譲渡)またはROT(改修・運営・譲渡)方式を採用することが義務付けられており、台北市の南港駅や松山駅に間もなくオープンするホテルはいずれも民間経営となっている。

 しかし今年10月に規制緩和が行われ、台鉄自らが駅に旅館や商業施設を開設し、運営することが認められた。これを受けて台鉄は全土225駅の中から▽基隆駅(基隆市)▽七堵駅(同)▽新烏日駅(台中市)▽員林駅(彰化県)▽屏東駅(屏東県)▽潮州駅(同)▽新城駅(花蓮県)▽玉里駅(同)──の8駅で「鉄道旅館」を開業することを決定した。

 交通部台湾鉄路管理局(台鉄局)貨運服務総所の陳淑慧総経理は鉄道旅館事業について、「欧州の鉄道が経営するホテルの利便性の高さ、日本の鉄道のサービスの細やかさを兼ね備えた特色ある施設としたい」との考えを示した。また客室については比較的小規模な地方駅は部屋数10室前後の「低価格ホテル型」、大規模駅は利用者が多いと予想されることから20〜30室の「ビジネスホテル型」の2タイプを提供する計画だ。

 なお台鉄は同事業を民間業者との「ダブルブランド」方式で展開したいと考えており、既に10月、ホテル業者やショッピング施設運営業者を集めた説明会を開催。老爺酒店集団(ホテルロイヤル)や国賓大飯店(アンバサダーホテル)などが提携に興味を示しているとされ、来年半ばにはパートナー企業が決定する見通しだ。

 鉄道駅が今後増えていけば、地方の駅に夜遅くに到着しても宿に困らなくなるほか、台鉄の敷地からまったく出ずに台湾を一周するという、鉄道ファンには夢のような旅も可能になるかもしれない。