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食品大手の実験室設置義務、効果に疑問も


ニュース 食品 作成日:2015年12月2日_記事番号:T00060722

食品大手の実験室設置義務、効果に疑問も

 昨年の食品安全衛生管理法改正に伴い、大手食品メーカーは今年12月10日までに独自で検査を行う実験室の設置が義務付けられる。衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は10日以降、設置状況に関する検査を実施する予定だ。2日付聯合報が伝えた。


早期から自社実験室を設置していた義美食品(I-Meiフーズ)の高志明総経理(前右3)も「検査データだけでは食品の良しあしを判断できない」と述べた(2日=中央社) 

 対象は株式を上場する食品メーカー(店頭公開を含む)で、食料品生産、飲食業による収入がグループ全体の50%を超える38社。原材料、半製品、完成品を自主的に検査し、結果を社内に保管しなければならない。

 また、資本金1億台湾元(約3億7,000万円)以上で食用油脂、食肉、乳製品、水産物、小麦後、デンプン、食塩、砂糖、醤油、茶葉飲料を生産する企業も来年末までに実験室を設置しなければならない。違反企業には3万~300万元の罰金が科される。

 大手食品メーカーは、既に実験室の設置を終えている。統一企業(ユニプレジデント)の羅智先(アレックス・ルオ)董事長は、既に実験室9カ所を備え、来年半ばまでに10億元を投資した食品安全棟が完成すると説明した。

 今回の実験室義務付け政策をめぐっては、実効性に疑問を投げ掛ける声もある。中興大食品科学学科の匿名の教員は「問題は自主的に検査を行うかではなく、結果を信用できるかだ。また、検査設備の設置コストが消費者に転嫁される可能性がある」と指摘した。

 輔英科技大学保健栄養学科の李政達主任は「食品業界の9割以上は中小企業だ。大企業を対象とした措置では管理しているとは言えない」との意見だ。