ニュース 電子 作成日:2015年12月4日_記事番号:T00060789
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)共同執行長は3日、7ナノメートル製造プロセスによる試験生産を2017年第1四半期に開始するとの見通しを示した。また、5ナノプロセスの研究開発(R&D)に着手したことも明らかにした。先端プロセス開発レースでインテルやサムスン電子に先行し、業界首位の座を固める構えだ。4日付経済日報などが報じた。
劉共同執行長が「共に5ナノ時代を迎えよう!」と呼び掛けると、会場のサプライヤー関係者たちは興奮に沸き立った(3日=中央社)
劉共同執行長は新竹市で開いた「TSMCサプライチェーン管理フォーラム」で、台湾、米国、日本、ドイツ、韓国などのサプライヤー関係者600人余りに先端プロセスの動向を明かした。同社が7ナノプロセスの具体的な試験生産開始時期や5ナノに触れたのは今回が初めて。
劉執行長は、TSMCは既に7ナノプロセスでSRAMの生産に成功したと説明した。サムスンが11月に10ナノによるSRAM生産に成功したと発表したが、TSMCはさらに先行しているようだ。
業界関係者は「TSMCはアップルやエヌビディアといった大手顧客が最先端プロセスを初めて採用するときに、確実に自社を指名してもらえるよう開発レースで何としてもライバルに先んじたい構えだ」と指摘。TSMCは先端プロセス市場でさらにシェアを拡大し、収益力を向上できるとの見方を示した。
劉共同執行長は先月ロイター通信の取材に対し、TSMCの来年の設備投資額は今年を上回ると述べ、設備メーカーは過去最高の100億〜120億米ドルに上るとの予想を示した。来年は16ナノプロセスの生産能力増強、10ナノ試験生産ラインの配置、7ナノのR&Dに全力を挙げるとみられる。
16ナノでシェア向上
TSMCは今年第3四半期に16ナノプロセスの量産を開始。先進プロセスの開発進ちょくでインテルに後れを取ったが、10ナノは来年初めに試験生産、同年下半期に量産を開始する見通しで、17年に10ナノ量産を予定するインテルを半年以上リードしている。
劉共同執行長は同社の16ナノプロセスについて、今年末までにテープアウト(設計完了)する製品は27種類、来年末には100種類に達すると予想。TSMCの今年のファウンドリー市場シェアは54%に上るが、16ナノがさらなるシェア向上に貢献するとの見通しを示した。
「半導体市場は来年回復」
劉共同執行長は半導体産業の見通しについて、在庫調整は年末に完了すると断言し、来年成長軌道を取り戻すと述べた。TSMCの業績見通しについては、今年は従来予想通り2桁成長を果たし、来年は今年よりも良くなるとの予測を示した。
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