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紫光集団のSPIL出資、ASEが徹底抗戦か


ニュース 電子 作成日:2015年12月14日_記事番号:T00060946

紫光集団のSPIL出資、ASEが徹底抗戦か

 中国の国有半導体大手、紫光集団が11日、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)台湾2位の矽品精密工業(SPIL)に568億台湾元(約2,100億円)を出資して、株式24.9%を取得すると発表したことに対し、業界最大手で今年SPILの筆頭株主となった日月光半導体製造(ASE)は同日「ノーコメント」と表明した。しかし観測によると、ASEは私募ファンドの力を借りてSPIL株を買い増し、2017年に経営権を取得する構えとみられる。14日付蘋果日報などが報じた。

 ASEは現在、SPILに約25%を出資しているが、紫光集団を引受先とするSPILの増資が実行されれば、ASEの出資比率は18.7%へと希薄化し、第2位株主に転落する。

 消息筋によると、ASEは9月に株式公開買付(TOB)でSPILの株式を取得するに当たり、1,000億元の資金を調達していたが、実際の支払い額は352億元だったため、まだ数百億元の資金が手元に残っている。これに私募ファンドの資金援助を加えてSPIL株を買い増す構えだという。

 観測に対しASEは「紫光集団のSPIL出資には反対するが、対抗策はまだ決まっていない。早期に何らかの声明を発表するため、余計な推測は控えてほしい」とコメントした。

 あるハイテク業界の主管は、10月のSPIL臨時株主総会では、鴻海精密工業との資本提携は株式交換条件が悪いとして、外資が軒並み反対票を投じたが、紫光集団によるSPIL出資額の大きさ、およびプレミアム(上乗せ)が20.8%に上ることから、ASEが他のSPIL株主を説得して同出資計画を阻止するのは難易度が高いと指摘した。