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暖冬で冬物不振、業者が悲鳴「もっと寒くなって」


ニュース 社会 作成日:2015年12月23日_記事番号:T00061107

暖冬で冬物不振、業者が悲鳴「もっと寒くなって」

 冬至の22日に台北市で最高気温30.5度を観測し、冬至としては過去67年で最高となるなど、今年は記録的な暖冬となっている。このため冬物衣料や家電、薑母鴨(鴨肉をショウガと漢方で煮込む鍋料理)などの売れ行きに影響が出ており、「もっと寒くなってほしい」と業者が悲鳴を上げている。


22日は平地の多くで26度以上となり、「この暑さは夏至だろう」との声も聞かれた(22日=中央社)

 中央気象局の統計によると、11月の台湾の平地13カ所の平均気温は24.12度で、同月としては1947年の観測開始以降で最高だった。12月は17日に今冬一番の寒さとなったものの、全体的には例年より暖かい日が続いている。

 インターネット通販サイトの「生活市集」によると、昨年11月末に使い捨てカイロを発売した際、2週間で2万5,000個が売れたが、今年は3,000〜5,000個と前年同期の5分の1以下に落ち込んだ。ちなみに買った人からは「海外旅行での雪観賞用」との声が多数出ている。

 また、婦人服のインターネット通販サイト大手、OB(オレンジベア)厳選も、暖冬の影響でダウンジャケットや厚手のコートの販売が打撃を受けており、暖冬傾向が今後も続くようであれば、今年通年の売上高は前年から横ばいの25億台湾元と、当初目標の30億元から約17%下振れする見通しだ。OB厳選の張祐誠営運長は「10月末以降、廟(びょう)に行くたびに『もっと寒くしてください』と神様にお願いしている」と苦衷を明かした。

 また、ある大型ショッピングセンター(SC)も、11月の周年慶(創業祭)セールで綿入れ掛け布団などの寝具や、ダウンジャケットなどの衣料の業績が2〜3割以上落ち込んだ。クリスマスの販促セールで業績を挽回したい考えだ。

 冷え込む季節の定番料理「薑母鴨」を提供する店では、業績が3分の1に落ち込んだ。店の関係者は「例年は農暦10月(今年は11月12日〜12月10日)に業績が上向き始めるのに」とため息を漏らした。

 一方、コンビニエンスストア大手、全家便利商店(台湾ファミリーマート)によると、一部の人気飲料や氷菓は夏から販売好調が続いており、暖冬の恩恵を受けている業者もあるようだ。

 なお中央気象局は、大陸からの寒気が南下する影響でクリスマスの25日には中部以北で気温が最低13度、その他の地域でも15〜17度に下がり、寒気の影響は来週まで続くと予測しているため、暖冬といってもやはり寒さ対策は必要だ。