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SPILがASE買収防衛策、ホワイトナイト再模索か


ニュース 電子 作成日:2015年12月24日_記事番号:T00061155

SPILがASE買収防衛策、ホワイトナイト再模索か

 消息筋によると、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、矽品精密工業(SPIL)は同業最大手、日月光半導体製造(ASE)による買収防衛策として、新たにホワイトナイトを呼び込む考えだ。SPILは28日に董事会を開催する予定だ。24日付経済日報が報じた。

 消息筋によると、前回の買収防衛策では、鴻海精密工業が株式交換を表明したが、株式取得価格はASEの株式公開買付(TOB)価格より低く、株主の支持を得られなかった。このため新たなホワイトナイトの支援を得て、SPIL株の取得価格を引き上げることを検討しているようだ。

 業界関係者は、ASEが発表した2度目のTOB価格は1株55台湾元(約200円)に引き上げられ、期間は29日から来年2月16日までと春節(旧正月、2016年は2月8日)をまたぐため、株主の売却意欲が高まり、成功する可能性が高いと指摘した。ASEは、株式24.71%を取得して、出資比率を49.71%まで高める計画だ。

 証券会社は、SPILの林文伯(バウ・リン)董事長は来年1月28日の臨時株主総会で、ファンドを加えた同盟を発足させ、ASEに対抗すると予測した。中国の国有半導体大手、紫光集団からの出資受け入れ計画は立法院の反対で実現が困難な見通しだが、同計画の発表により、SPILの経営への介入を許さないことが林董事長にとっての譲れないラインと考えられている。

SPIL株価引き上げ効果も

 ASEにとって2度目のTOBは、経営権を取得するだけでなく、既に保有しているSPIL株価を引き上げ、時価総額を高めることができるため、一挙両得だ。

 外資系証券会社は、ASEが提示した条件が良いため、議決権行使助言会社、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)はASE寄りの助言を出す可能性が高いと指摘した。