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感情認識ロボット・ペッパー、来年にも台湾発売


ニュース 電子 作成日:2015年12月25日_記事番号:T00061184

感情認識ロボット・ペッパー、来年にも台湾発売

 鴻海精密工業傘下の通信キャリア、亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)は24日、鴻海が受託生産しているソフトバンクの感情認識パーソナルロボット、Pepper(ペッパー)を来年にも台湾に導入すると発表した。日本に続く世界で2番目。亜太電信にとって本体販売だけでなく、追加プランの固定収入も期待できる。鴻海グループにとってロボットは発展戦略の重点項目の一つで、傘下各社の相乗効果を高める役割を果たしそうだ。25日付経済日報などが報じた。


ペッパーは24日、台湾に初めてお目見えした。台湾でもブームを巻き起こすことが期待される(亜太電信リリースより)

 亜太電信は同日、第4世代移動通信(4G)サービス1周年の記念イベントを鴻海傘下の3C(コンピューター、通信、家電)製品の複合商業施設、三創数位生活園区(台北市中正区)の旗艦店で行い、ペッパー2台が中国語会話や、ダンス、太極拳、じゃんけんなどを披露した。

 亜太電信の三創園区旗艦店では今後長期にわたりペッパーを展示し、決まった時間にパフォーマンスを行う予定で、集客効果が期待できそうだ。来年3月末までのキャンペーン期間は、三創園区の旗艦店で888台湾元(約3,260円)以上買い物するか、台北市、新北市の指定の店舗で第4世代移動通信システム(4G)契約を申し込んだ場合、ペッパーと一緒に写真撮影ができる。

 ペッパーは人の声や表情などを検知する世界初の感情認識パーソナルロボットで、今年6月の発売以来、毎月1,000台の一般販売分が6カ月連続で1分間以内に完売している。本体価格は19万8,000円、基本プランは月1万4,800円×36カ月、保険パックは月9,800円×36カ月。ネスレ日本は昨年12月から「ネスカフェ」のコーヒーマシン売り場の接客にペッパーを活用したところ、集客効果を発揮し、購買意欲を高めた。

異業種提携も

 呂芳銘・亜太電信董事長は、ペッパーは亜太電信の独占販売とせず、台湾大哥大(台湾モバイル)などの通信キャリアや、コーヒー販売などの異業種とも接触中と明かした。ただ、ペッパーの台湾販売に関する詳細はソフトバンクと協議中と強調した。

 呂董事長はまた、ペッパーは当面、Wi-Fi対応のみだが、将来的には4G、5Gにも対応させ、鴻海グループのIoT(モノのインターネット)展開に重要な役割を果たすと述べた。

 亜太電信は12月31日に国碁電子(アンビット・マイクロシステムズ)と合併する予定で、モバイルユーザーは160万件、法人ユーザーは4万件、直営店や加盟店は400社に増える。今年は4Gユーザー70万件、来年は倍増の140万件が目標。来年第2四半期にはTD−LTEサービスを開始する予定だ。

台湾でもアプリ開発

 呂董事長は、現在インターフェースの中国語化を計画しており、来年第1四半期に台湾のソフトウエア開発業者と提携し、周辺開発やビジネスエコシステムの構築を進めると語った。また、ソフトバンクグループのロボット事業を統括するソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)に鴻海、アリババが各20%出資することで同意しており、台湾で開発するペッパー向けアプリケーション(APP)は同社の認証が必要になると話した。

 郭台銘(テリー・ゴウ)董事長の長男、郭守正・三創数位董事長は、来年第1四半期に亜太電信と共同でペッパーのアプリコンテストを開催すると述べた。また、台湾でペッパーは教育分野をターゲットとすると語った。