ニュース 社会 作成日:2016年1月5日_記事番号:T00061269
マンションの階下に住む住人の喫煙により、せきや呼吸困難などの受動喫煙被害を受けたとして上階の住人が提訴した裁判で4日、上階住人の訴えを認め、階下住人にたばこの煙を上階に流入させることを禁じる判決が下された。実質的にマンション自宅での喫煙を禁じる判決は台湾で初めてのケースだ。
新北市泰山区のマンション5階に住む女性は、2年ほど前にある家族が4階の1室に引っ越して来て以来、60代男性とその息子がベランダやトイレで日常的に喫煙し、その煙が建物の排気口などを通じて自分の部屋に流入するようになったと主張。女性は、ひんぱんなせき、くしゃみ、呼吸困難、心臓や神経系の不調など健康に異常を来すようになったことから、マンションの管理委員会に苦情を申し入れたり、警察に被害を通報したりした。しかし改善が見られなかったため、裁判に訴えることを決めた。
裁判で彼女は、たばこの臭いが自宅内に漂い始めた後、設置した空気清浄機のランプが「空気品質良好」を示す「緑」から「悪い」、「非常に悪い」を示す「黄色」「赤」に変化する様子を撮影した映像などを提出した。
これらの証拠を基に裁判所は、総合的に判断して階下住人の頻繁な喫煙が女性の生活に許容範囲を超える深刻な影響を及ぼしていると指摘。また「居住環境の質と健康に関する権利」と「自宅での喫煙の自由」が衝突した場合、前者が優先されるべきとの見解を示し、階下住人に対したばこの煙を上階に流入させてはならないとの判決を下したほか、空気清浄機購入費用、慰謝料を含め2万5,000台湾元の賠償を命じた。
これに対しネット上などでは「正義の判決」などと支持する声が上がったが、一方で「自宅ですら吸えないのか」「料理の煙も禁止しろ」など「行き過ぎ」との意見も見られた。
なお今回の判決は、控訴が可能だ。一部弁護士からは、上階の「空気汚染」と階下住人の喫煙の関連性を証明することは難しく、喫煙を禁止する判決が覆る可能性が高いとの見方も出ている。
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