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TPCが4事業部に再編、電力自由化に先手


ニュース 公益 作成日:2016年1月5日_記事番号:T00061274

TPCが4事業部に再編、電力自由化に先手

 台湾電力(TPC)は4日、組織を火力発電、原子力発電、送電、電力小売りという4つの事業部に再編し、独立会計制度を導入すると発表した。社内で発送電分離を図り、将来の電力自由化に備える狙いがある。5日付工商時報が伝えた。


4事業部の執行長が光の剣を手に持ち、台湾に光を絶やさないと宣言した(同社リリースより)

 台湾では現在、電業法改正案が立法院に提出されており、電力事業を発電、送電、供給調整の3部門に分割し、発電部門に民間の参入を促す電力自由化が進む見通しとなっている。民間では電力不足を懸念する台湾積体電路製造(TSMC)が自社で発電所を建設することに意欲を見せている。

 鄧振中経済部長は「TPCは事前に準備を整えてこそ、将来の電力自由化に対応できる」と述べた。

 TPCの黄重球董事長は「会計帳簿が1冊から4冊に分けられるということだ。各部門のコスト意識は異なり、各部門がそれぞれ投資判断を行った方が効率が上がる」と述べた。

 黄董事長はまた、昨年1~11月のTPCの業績について、利益は611億台湾元(約2,200億円)だったことを明らかにした。原油価格下落で発電燃料コストが低下し、大幅な増益となった形だ。

 電気料金の新計算式によれば、TPCの合理的利益率が上限5%と定められており、金額に換算すると172億元となる。このため、電力料金は値下げが見込まれるが、TPCは1,865億元の累積損失を抱えているため、利益の一部は電気料金審議委員会の決定を経て、損失解消に充てられる見通しだ。