ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

15年新車販売42万台で前年並み、輸入車がシェア拡大


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2016年1月5日_記事番号:T00061292

15年新車販売42万台で前年並み、輸入車がシェア拡大

 2015年の新車登録台数は42万780台で前年比0.7%減と、前年水準を維持した。貨物税(物品税)減免措置や、2年ごとに開催される自動車の国際展示会、世界新車大展(台北インターナショナル・オートショー、12月26日~1月3日)で、11~12月に急激に追い上げた。元高円安による日本輸入車の価格競争力向上や欧州高級車のエントリーモデル、小型車発売で、輸入車は市場シェアが拡大しており、今年の成長の要となりそうだ。5日付工商時報などが報じた。


和泰汽車は新車登録台数が14年連続で台湾首位。台北オートショーでも多くの参観者を引き付けた(3日=中央社)

 昨年12月の新車登録台数は前月比20%増、前年同月比0.1%増の4万1,821台で、過去6年の同月で最高だった。貨物税減免構想が浮上し、消費者が様子見に転じた昨年8月には前月比51%減、前年同月比1.1%減の2万2,918台まで落ち込んだが、昨年11月、12月は成長を取り戻した。

1月は4.8万台も

 トヨタの台湾総代理店、和泰汽車は昨年の新車登録台数が13万2,419台(市場シェア31.5%)で前年比4.9%減となった。新車の単価上昇などで、昨年1~11月売上高が1,480億5,600万台湾元(約5,300億円)と前年通年を上回っており、昨年通年は過去最高の1,600億元が見込まれる。

 和泰汽車の昨年12月新車登録台数は1万5,013台で前月比24.4%増、前年同月比8.8%増と、業界の上場企業で最も大きく伸びた。台北オートショーでは、トヨタ、レクサス合計700台以上を受注した。謝富来協理は、昨年12月は各社が競って新車を発売、キャンペーンを実施したため、よく売れたと説明した。今年1月の市場全体の新車登録台数は4万6,000台まで増えるとみている。

 今年1月は、▽春節(旧正月、2016年は2月8日)前で駆け込み購入が増える上、春節休暇とかぶらない▽貨物税条例改正案が6日に公告、8日に発効予定▽各社がキャンペーンを続行──などの要因から、市場規模4万8,000台も期待できる。

 2位の裕隆日産汽車は昨年の新車登録台数が前年比9.1%減の4万3,416台(市場シェア10.3%)で、昨年12月は前月比9.4%増の4,114台。3位の中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)は昨年が前年比3.2%減の4万2,134台(市場シェア10%)、昨年12月が前月比4.2%増の3,348台だった。4位の台湾本田(ホンダ台湾)が昨年は前年比12.4%増の2万7,639台(市場シェア6.6%)、昨年12月が前月比39.9%増の3,019台と成長した以外、台湾生産車は軒並みマイナスだった。

台湾生産車は苦戦

 輸入車の昨年通年の新車登録台数は前年比13.7%増の15万4,685台で、市場シェアは36.8%に上った。うち高級輸入車が7万697台を占め、前年比8.7%増えた。

 高級車の代表格、メルセデス・ベンツは昨年の新車登録台数が前年比11.6%増の2万1,542台(市場シェア5.1%)と初めて2万台の大台に乗った。5位の福特六和汽車(フォード六和モーター)の2万1,942台(前年比11.2%減、市場シェア5.2%)に400台差まで迫った。

 7位は100%輸入車に切り替えた台湾馬自達汽車(マツダモーター台湾、MMT)で、昨年の新車登録台数が2万1,033台と前年比40%増加し、業界最高の伸びを見せた。

 8位のBMWは昨年の新車登録台数が前年比15.4%増の1万9,533台(市場シェア4.6%)で過去最高を更新した。

 今年は魅力ある台湾生産車の発売が少なく、各社は輸入車強化で業績成長を確保する見通しだ。今年7月にはタイヤ空気圧監視システム(TPMS)の搭載が全車種に義務付けられるため、トヨタの「イノーバ」、「ウィッシュ」、「マツダ5(日本名・プレマシー)」などが生産停止に追い込まれ、台湾生産車の市場シェアは60%を割り込む恐れがある。

【表】