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作成日:2008年3月17日_記事番号:T00006130
「謝長廷当選」で株価急落、投資銀行リポートが波紋
投資銀行大手のゴールドマン・サックスが先週初め、台湾総統選で民進党の謝長廷候補が当選した場合、台湾株が急落すると予測した顧客向けリポートが外部に流出し、台湾証券取引所がゴールドマン・サックスの台北事務所を訪れ、事情を聴いていたことが14日までに分かった。市場関係者の間では国民党優勢とみる分析が相次いでまとめられており、選挙戦の行方を左右する要素の一つとして浮上している。
15日付経済日報によると、ゴールドマン・サックスのアジア太平洋地区担当ストラテジスト、ティモシー・ムー氏は今月10日に顧客に送付したリポートの中で、国民党の馬英九候補が当選すれば、加権指数は1万ポイントを超えるが、謝長廷候補がすれば同指数は6,600ポイントまで下落するとの分析を示した。
市場関係者によると、外資系のマーケットリポートは国民党優勢とする内容で一致しているが、ムー氏の分析は株価の下げ幅を「最も具体的かつ悲観的」にとらえたものだったという。民進党政権がリポートの内容に敏感なのは当然で、証取による事情聴取にも政治的な背景が指摘されている。
一般投資家からは、ゴールドマン・サックスの予測に抗議する電話が証取に殺到しているという。