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選挙戦最後の週末、各党が気勢


ニュース 政治 作成日:2016年1月11日_記事番号:T00061383

選挙戦最後の週末、各党が気勢

 16日に投開票される総統・立法委員同日選挙を控え、最後の週末となった9、10の両日、各党は台湾各地で大規模な集会などを展開して、有権者に支持を訴えた。

蔡英文陣営、南部から遊説開始

 総統選で優位に立っている民進党の蔡英文候補は9日から屏東県楓港を皮切りに、「台湾の一里一里をライトアップする」を合い言葉として、北に向かって7日間の車両パレードを開始した。同日午後に車列が民進党の大票田である高雄市に差し掛かると、沿道では市民の熱烈な歓迎を受けた。民進党の選対関係者は、特にこれまでの選挙で国民党が優勢だった地域を中心にコースを設定したという。

 蔡候補は10日も引き続き南部の台南市、嘉義市を回り、選挙集会を開いた。蔡候補は立法委員選の比例代表で特に時代力量などの新興政党が勢力を伸ばしていることから、「比例票は集中して民進党に投じてもらいたい」と呼び掛けた。


台南市の集会で支持者の歓声に応える蔡候補(10日=中央社)

朱立倫陣営、台北市内をパレード

 一方、国民党は9日、「台湾の安定のために歩こう」をスローガンに支持者を集め、台北市内でパレードを行った。支持者らは、青天白日満地紅旗を手にしたり、身にまとったりしながら、市内3カ所からそれぞれ自由広場を目指した。

 総統選に出馬した朱立倫候補は「心中に不満があっても、次の世代のために投票に出かけ、私に投票してもらいたい」と呼び掛けた。

 馬英九総統は「これだけの人が立ち上がったのだから、国民党に勢いが付いた。国民党が引き続き政権を担当しなければ、台湾の安定には問題が生じる」と訴え、民進党の蔡候補が中台間の1992年の共通認識(92共識)を認めようとしない点を改めて批判した。

宋楚瑜陣営、実行力アピール

 親民党から総統選に出馬した宋楚瑜候補は9日、台中市内で集会を開き、自身が台湾省長を務めていた当時、家畜伝染病の口蹄疫のワクチン接種で公的補助を行ったことを引き合いに、「政府は養豚農家に補助をいまだに行っていない。そういう簡単なことさえできないのはなぜか」と述べ、「自分は仕事をこなす人間だ」と実行力をアピール。集会の最後には防弾チョッキを脱ぎ、支持者に向かって5回にわたり深々と頭を下げた。

 宋候補は新北市三峡区での集会でも「国民党と民進党による政治抗争を続けてはならず、市民のために馬車馬になって働く指導者を選ぶべきだ」と訴えた。

時代力量、立法院そばで支持訴え

 ヒマワリ学生運動をきっかけに生まれた新興政党、時代力量は9日、立法院のそばで選挙集会を開き、黄国昌執行党主席は「理想さえあれば、立法院を人民の立法院にすることができる」などと気勢を上げた。会場には3,000人が詰め掛け、中央研究院の李遠哲元院長らも現場で支持を表明した。

 同党の議席獲得には比例区で5%の得票率をクリアすることが条件となるが、立法委員選に出馬した林昶佐候補(台北市第5選挙区)は、「国民党を追い込むには、友党と票を奪い合うべきではなく、初めて投票を迎える若者や国民党支持者に投票を呼び掛けるべきだ」と訴えた。