ニュース 社会 作成日:2016年1月14日_記事番号:T00061469
総統選・立法委員選の同日選挙が2日後に迫っているが、台湾では不在者投票が認められておらず、有権者は住民登録している県市の投票所に出向く必要があるため、今後、全土で恒例の帰省ラッシュが発生すると予想される。そんな中、中国大陸にほど近い島に位置する金門県烏坵郷では、日常的な交通手段が存在しないことから、台湾本島に居住する住民を軍艦で移送するなど特別な配慮を講じており、かかるコストが有権者1人当たり約3万台湾元と、「全土で最も高価な1票」となっている。
3つの島から成る烏坵郷はもともと福建省莆田県に属していたが、国共内戦の結果、現在は金門県が管理している。金門島からも遠く離れ、日常的な交通手段が存在しない同郷では、生活必需品の補給を、15日に一度台中市からやってくる軍艦による輸送に頼っている。
金門県選挙管理委員会によると、烏坵郷の居住者は現在30人だが、同郷に住民登録を行っている有権者は507人で、今回の同日選では58人が帰郷投票を予定しており、国防部が14、15日の両日、彼らを台中港で軍艦に乗せて烏坵郷へ送り届ける計画だ。
このほか、烏坵郷でも適正な投票が行われるよう、選挙管理委員会は11日に係員2人、警察1人を派遣。さらに12日にはヘリコプターで投票用紙を台中から同地へ輸送した。
選挙管理委員会によると、ヘリコプター1往復に約20万元、軍艦での有権者移送に200万元の費用がかかるほか、投票所の開設や人件費、選挙広報の配布などにかかる費用約30万元を合わせて約250万元の経費が必要となり、投票を行う有権者が88人の見通しから、1票当たりのコストは2万8,409元に上る。
こうした状況に対し金門県選挙管理委員会の呂成発組長は「民主主義は金に代えられないとはいえ、1回の選挙で250万元もの経費が必要となるのは無駄に思われる」と指摘。不在者投票やインターネット投票を可能とする法改正の実施を提言している。
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