ニュース 電子 作成日:2016年1月15日_記事番号:T00061516
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長は14日の業績説明会で、今年は14/16ナノメートル立体構造トランジスタ(FinFET)市場シェアで首位を取り戻し、来年の10ナノ市場は最初から高いシェアを占め、負けることはないと強い自信を示した。同社は既に顧客から10ナノの設計を受け付けており、今年第4四半期に量産に入る見通しだ。業界関係者は、現在の進ちょく状況から、サムスン電子、インテルをリードできると指摘した。15日付工商時報などが報じた。
張董事長は、顧客の在庫水準が低下しており、同社の第1四半期業績は予想より良いと述べた(14日=中央社)
16ナノ追い上げ、シェア70%へ
TSMCは昨年、16ナノプロセス量産時期がサムスンより遅く、アップルのプロセッサー「A9」を全て受注できなかった上、クアルコムの「スナップドラゴン820」受注もサムスンに奪われた。今年はインテル、聯発科技(メディアテック)、展訊通信(スプレッドトラム・コミュニケーションズ)の携帯電話チップ受注のほか、アップルの新プロセッサー「A10」の独占受注が決まっている。
魏哲家共同執行長は、16ナノプロセスは昨年第3四半期の量産後、生産能力を急速に拡大しており、今年は低コスト版16ナノFFC(FinFET Compact)プロセスで、ミドル~ローエンドスマートフォン向け受注を獲得すると話した。同社は14/16ナノ市場シェアが昨年の50%から今年70%以上まで上昇すると予測した。
今年の設備投資計画は90億~100億米ドルと前年より11~23%多い。10ナノプロセス生産能力拡大のほか、7ナノ、5ナノ研究開発(R&D)加速にも充てる。劉共同執行長は、7ナノ量産は2018年上半期、5ナノは20年上半期に量産できると予想した。
今年1割増収も
同社が同日発表した15年連結売上高は前年比10.6%増の8,434億9,700万台湾元(約3兆円)、純利益は16.2%増の3,065億7,400万元でいずれも過去最高だった。粗利益率は平均48.7%。
半導体業界の在庫調整の影響で、昨年第4四半期の連結売上高は前期比4.2%減の2,035億1,800万元、粗利益率は0.4ポイント上昇し48.6%、純利益は3.3%減の728億3,700万元だった。
劉徳音共同執行長は、昨年末に顧客の在庫水準が2日にまで低下したが、今年第1四半期は在庫補充に慎重だと話した。
劉共同執行長は、今年の世界景気見通しについて▽スマホ出荷台数、前年比8%増▽パソコン、3%減▽タブレット端末、7%減▽消費者向け電子製品、5%減──と予測し、世界の半導体業界市場については2%成長、ファウンドリー市場は5%成長と予想、同社の通年売上高は5~10%増を見込む。
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