ニュース 政治 作成日:2016年1月17日_記事番号:T00061524
国民党は総統選挙で敗れ、立法院の議席数も過半を割る歴史的な惨敗を喫した。同党は引責辞任を表明した朱立倫氏に代わる人選も含めた党勢立て直しが急務となるが、党内路線の分岐や人材不足から当面は困難な見通しだ。
今回の惨敗は、馬英九総統の失政に加え、総統選公認候補を投票3カ月前に洪秀柱立法院副院長から朱氏に急きょ変更する混乱を見せたことで支持層が失望し、投票に行かなかったり、総統選では親民党の宋楚瑜候補や、立法委員選比例代表では中台統一派の新党に投票したことが最大要因とみられる。
支持者に謝罪する朱氏(中)。過去1年の流れは、7年間与党の座にあった党としては信じられない体たらくだった(16日=中央社)
呉敦義副総統や胡志強氏が有力
国民党は、中央常務委員会で朱氏の辞任が承認されれば、黄敏恵副主席が代理主席を務める可能性が高く、3カ月以内に主席改選を行う方針という。
次期主席候補者としては▽馬総統▽呉敦義副総統▽王金平立法院長▽洪立法院副院長▽胡志強氏(前台中市長)──らの名前が早くから挙がっていたが、馬総統の声望は今回の敗北で地に落ちており、また、国民党が立法院の過半数を割ったことで王氏は今後立法院長に再任する可能性がほぼなくなり、求心力に欠けるため主席改選への出馬は困難とみられる。
このため、呉副総統、洪立法院副院長、胡氏が有力視されている。ただ、仮に統一色の強い洪立法院副院長が主席になった場合、本土派の脱退による党分裂を招きかねないため、呉副総統や胡氏が就任する公算が大きい。
なお、同党幹部では、基隆市で立法委員選挙に出馬した郝龍斌第一副主席(前台北市長)も民進党候補に敗れ、引責辞任を発表している。
民進党の政権運営次第で再起も
2008年そして今回と、台湾では与党の失政によって政権交代が導かれており、蔡英文政権が中台関係を安定させられず経済や社会に悪影響が及ぶ事態になった場合、国民党にも再起のチャンスが巡って来る可能性があるが、立法院で最大野党として監督の役割をしっかり果たすことが前提となろう。
若年層の国民党離れは頭の痛い課題で、中国時報は、党幹部に若者を採用して、次世代の指導者を育成することを提言している。まずは18年の統一地方選挙までにどこまで党勢を立て直せるかが、4年後の総統選の試金石となりそうだ。
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