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理知的な理論派、学者から政治家へ


ニュース 政治 作成日:2016年1月17日_記事番号:T00061525

理知的な理論派、学者から政治家へ

 台湾初の女性総統となる蔡英文氏は、学者から政治家に転身した冷静沈着な理論派として知られる。

 1956年台北市生まれの59歳。客家の旧家出身で台湾原住民の血も引く。台湾大学法学部卒業後、米国コーネル大学で法学修士、英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで法学博士を取得。帰台後、国立政治大学および東呉大学の教授に就任した。

 国民党の李登輝政権下の90年代に、経済部の国際経済組織主席法律顧問、経済部貿易調査委員会委員、行政院大陸委員会委員、行政院公平交易委員会委員などを務め、99年に李総統(当時)が発表した、中台は特殊な国と国の関係とする、いわゆる「二国論」の起草にも関わった。民進党が政権を獲得した00年5月、中台関係の政策を担当する行政院大陸委員会の主任委員に就任、立法院での明快な答弁ぶりが注目されるようになった。

 04年に民進党に入党。その年の立法委員選挙に出馬して比例代表で当選、06年1月から07年5月まで行政院副院長を務めた。08年の民進党主席選挙で初の女性党首となり、陳水扁政権の汚職問題などで支持率が低下した党の立て直しに尽力した。

 蔡氏は民進党党首として、09年と15年の2回日本を訪問しており、与野党の幹部らと会談した。日米重視の方針を明示しており、今後、日台関係の深化が期待される。尖閣諸島(台湾名・釣魚台列嶼)については「台湾の領土」を主張しつつ、経済利益は日台共同で享受することを提唱している。