ニュース 政治 作成日:2016年1月17日_記事番号:T00061529
総統・立法委員同日選挙は16日投開票が行われ、総統選では民進党主席の蔡英文氏(59)が、与党国民党主席の朱立倫氏(54)を308万票の大差を付けて圧勝し、8年ぶりの政権交代を決めた。蔡氏は史上初の女性総統となる。馬英九政権の過度の対中接近、経済面の失政を批判して票を集めた。投票率は66.27%で、前回2012年を8.11ポイント下回り過去最低だった。民進党は立法委員選(定数113議席)でも68議席(改選前40議席)と初の単独過半数を獲得し、安定多数による政権運営を実現することとなった。蔡氏は、従来中台関係の基盤となってきた「一つの中国」を認める立場を取っておらず、中台関係は摩擦の高まりが予想される。
歴史的な勝利を挙げ、蔡英文氏は笑顔で支持者の歓声に応えた(16日=YSN)
中央選挙委員会の最終集計によると、民進党の蔡英文・陳建仁ペアの得票数は689万4,744票(得票率56.12%)で、国民党の朱立倫・王如玄ペアが381万3,365票(31.04%)、親民党の宋楚瑜・徐欣瑩ペアが157万6,861票(12.84%)。蔡氏の得票率56%は民進党候補者としては過去最高で、前回12年より80万票得票を伸ばし、泛藍(汎国民党陣営)の朱氏と宋氏の合計を150万票上回った。
蔡氏は当選記者会見で、圧勝の結果について「きょうからが改革の最初の1マイルだ。当選者として、最初に民進党員全員に対し『謙虚に、謙虚に、さらに謙虚に』と命じたい」と勝利に浮かれないよう求めた。また、「3回目の政権交代で、台湾と民主主義はイコールであることを全世界に知らしめた」と述べ、有権者に感謝の意を示した。
中台関係については、「中華民国の現行の憲政体制に基づいて、両岸(中台)間の協議の成果と、民主の原則、普遍的な民意を両岸関係推進の基礎とする」との方針を表明。「両岸は共に、対等、尊厳、双方が受け入れ可能な交流方法を模索することに最大の責任があり、台湾の民主制度、国家アイデンティティー、国際空間は十分に尊重されなければならない。圧迫はいかなるものであれ両岸関係の安定を破壊する」と中国側に台湾の民意重視を求めた。
朱立倫氏、辞意表明
空前の惨敗を喫した国民党は、朱氏が「われわれの努力が足りず、有権者の期待と中華民国に対する責任に背いてしまった」と敗戦の辞を述べ、党主席辞任の意向を表明した。
国民党はリーダーとなる人材不足が叫ばれており、退役軍人の党組織の責任者や、集まった支持者から「辞めてはならない」との声が上がったが、朱主席は一言も反応しなかった。
馬政権では毛治国行政院長が辞意を表明した。18日の行政院会(閣議)で内閣総辞職が承認される見通しで、5月20日の政権交代までの4カ月間は、新たな内閣が引き継ぎの役割を果たすことになる。
宋楚瑜氏、健闘
4回目の総統選挑戦だった親民党の宋氏(73)は、得票を前回12年(36万9,588票)の4.2倍に伸ばして健闘した。テレビ討論会での好パフォーマンスなどで、国民党の混乱を嫌気した支持層の票を集めたとみられる。高齢もあり「次回は必ずしも自分が出るかは分からない」と語っているが、政治への意欲は強いため、このまま引退するかは未知数だ。
立法院、時代力量が第3党に
なお、立法委員選挙の結果は、▽民進党、68議席▽国民党、35議席▽時代力量、5議席▽親民党、3議席▽無党団結聯盟、1議席▽無所属、1議席──となった。ヒマワリ学生運動を契機に生まれた時代力量が若い世代の支持を集めて第3党に躍進した。
【図】
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