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タクシーの新メーターに欠陥、改造で過徴収可能に


ニュース 社会 作成日:2016年1月20日_記事番号:T00061585

タクシーの新メーターに欠陥、改造で過徴収可能に

 大台北地区(台北市、新北市、基隆市)のタクシー料金が昨年10月に値上げされたことに伴い導入が進んでいる新型料金メーターの一部メーカー製品についてこのほど、簡単に改造して料金が割高になるよう設定を変更できる欠陥が見つかった。当局は同メーターの販売中止を指示したが、既に約5,000台の車両に導入されており、市民からは「自分の乗ったタクシーがどのメーカーを使っているか分からないため、問題のあるメーターは全て取り外してほしい」との声が上がっている。


標検局は市民に対し、メーターの時刻が正確か、運賃の加算が速過ぎないかなどをチェックするよう呼び掛けた(YSN)

 問題が見つかった料金メーターは、「一路発」ブランドの製品で、筐体の溶接が不十分なため、簡単に製品を分解して内部に触れることができるという。さらに中のねじを調節すれば2分ほどでタイヤの回転速度設定を変更でき、実際の走行距離よりも1割ほど長く走ったように見せかけることが可能になるそうだ。

 改造したメーターを搭載したタクシーで台北市政府から台北駅まで乗車した場合、運賃は200台湾元と本来の185元より15元ほど割高となる計算だ。

 経済部標準検験局(標検局)は、一路発に対し、メーター内のSIMカードにパスワードを設定し、カードが抜き取られた場合、機能を停止する方式に改めるよう求めたほか、タイヤの回転速度など重要な設定変更にもパスワードを設け、勝手に変更できないようにするとともに、変更者情報を記録する機能を導入するよう指示した。

 なお営業中のタクシーに既に搭載されている一路発製のメーターについては、改善を施した上で検査を通過しなければ使用できないとする措置を取ったものの、これが徹底されるかどうかは不明で、利用者からは不安の声が出ている。

 一方で問題のメーカーを使用するタクシー運転手からも「運賃に疑いが持たれるようになれば客が減るし、別のメーターに変えれば費用がかかる」と不満をこぼしている。