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ASEのSPIL買収計画、公平会の判断次第【表】


ニュース 電子 作成日:2016年1月22日_記事番号:T00061658

ASEのSPIL買収計画、公平会の判断次第【表】

 半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、日月光半導体製造(ASE)は現在、同業の矽品精密工業(SPIL)買収に向け、同社に対する2回目の株式公開買付(TOB)を進めているが、期限の2月16日まで、または30日の期間延長後も公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)が企業結合を認可しなければ、2回目のTOBは失敗に終わることになり、両社合わせた市場シェアが6割近くに上ることを公平会がどう判断するかに注目が集まっている。22日付経済日報が報じた。

 ASEは敵対的買収を仕掛け、昨年9月にTOBでSPIL株25%を取得。昨年12月末から2回目のTOBを実施しており、持ち株比率を49.71%まで高める目標だ。経営権を掌握すれば、株式交換でSPIL株を100%取得し、SPILの上場を廃止する考えだ。

 業界関係者は、工業技術研究院(工研院)産業経済趨勢研究センター(IEK)の統計で、ASEの2014年台湾市場シェアは37.5%、SPILは20.6%で合計58.1%と指摘。市場調査会社のガートナーの統計によると、合計60.1%に上る。またASEの年次財務報告書によると、ASEとSPILの合計売上高は世界の主要メーカー全体の58.9%を超え、ロジックICのハイエンド技術では市場シェア8割を上回る。

 一方、別の業界関係者は、インテルやサムスン電子などIDM(垂直統合型の半導体メーカー)を加えれば、ASEとSPILの世界市場シェアは15%にすぎないと指摘。経済日報は、欧米における企業買収に対する審査は一般的に世界市場シェアを基に判断され、公平会がこれを踏襲すればASEとSPILの企業結合に懸念はないとの見方を示した。

 なおASEは21日、中国とドイツの独占禁止法(独禁法)所管機関に昨年末に企業結合計画を申請したと表明した。同社は自社の世界市場シェアは9.7%、SPILは5.2%で合計14.9%と説明している。