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ASEのSPIL合併、「450億元の受注流出も」


ニュース 電子 作成日:2016年1月28日_記事番号:T00061764

ASEのSPIL合併、「450億元の受注流出も」

 半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、日月光半導体製造(ASE)は現在、同業の矽品精密工業(SPIL)買収に向け、同社に対する2回目の株式公開買付(TOB)を進めているが、これを阻止したいSPILは、買収が成立すればハイエンド封止・検査市場における両社の合計シェアは現在の58%(ASE・38%、SPIL・20%)から33%まで縮小し、年間300億〜450億台湾元(約1,000億〜1,600億円)の受注が他社に流出するとの見方を示した。28日付工商時報が報じた。

 海外メーカーの台湾調達担当者も、多国籍企業は複数の調達先を確保することでリスクを分散するのが一般的で、クアルコム、ブロードコム、聯発科技(メディアテック)といった世界的大手チップメーカーは封止・検査を4〜5社に依頼していると指摘。その上で銅ピラーバンプ、フリップチップ・チップスケールパッケージ(FCCSP)、パッケージ・オン・パッケージ(PoP)といった先進技術は、ASE、米アムコア・テクノロジー、SPIL、中国・江蘇長電科技の世界大手4社しか提供できないため、ASEとSPILが合併した場合、両社に封止・検査を依頼していたメーカーは、発注先の再分配を行う必要が生じるとの見方を示した。

 なお、こうした見方に対しASEは27日、「一方的な憶測であり、根拠となる事実はまったくない」と反論した。「統合を通じてリソースの最適化、研究開発(R&D)力の向上、コスト低減が進むことで競争力が強化され、既存の受注を維持できるだけでなく、モノのインターネット(IoT)、ウエアラブル(装着型)端末といった新興製品向けハイエンド封止・検査でも商機獲得が期待できる」と強調した。