ニュース その他分野 作成日:2016年2月18日_記事番号:T00062050
行政院主計総処は17日、今年の輸出成長率見通しを従来の1.97%からマイナス2.78%へ下方修正し、初めて2年連続で前年割れになるとの予測を示した。昨年のマイナス10.83%(速報値)よりは持ち直すが、中国の「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」台頭、モバイル端末の売れ行き鈍化、原料価格の低迷などが響き、輸出回復は力強さを欠いたものとなるとの見方だ。18日付経済日報などが報じた。
輸出成長率は世界金融危機の影響を受けた2009年にマイナス20.3%に落ち込んだが、翌年は35.2%まで上昇した。主計総処綜合統計処の蔡鴻坤処長は「今年の状況は当時と違う。マクロ環境は依然良くない」と述べた。
主計総処経済予測科の呉佩璇科長は、国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済成長率の予測値を3.4%に下方修正しており、台湾の輸出に不利だと語った。また、台湾の輸出の主力は電子製品だが、かつて30%の販売成長率を誇ったスマートフォンが昨年第4四半期には5%にまで落ち込んでいる上、他の消費者向け製品で中国ブランドがシェアを伸ばしており、台湾の輸出を圧迫していると懸念を示した。
中央研究院(中研院)経済研究所の周雨田研究員も、中国やベトナム、マレーシアの電子産業がハードウエア分野に注力する中、台湾の強みは減る一方でライバルは増え続けていると指摘。今後は輸出で大幅成長は見込みにくいと話した。
主計総処の予測によると、今年の四半期別の輸出成長率は▽第1四半期、マイナス9.53%▽第2四半期、マイナス5.68%▽第3四半期、0.11%▽第4四半期、4.22%──で、四半期ごとに回復するとの見通しだ。
経済成長率1.47%に下方修正
主計総処は同日、輸出回復が力強さを欠くとして、今年の台湾域内総生産(GDP)成長率の予測値を1.47%へと、従来予測の2.32%から0.85ポイント下方修正した。09年以降では、昨年の0.75%(速報値)に次ぐ悪さだ。
中研院の周研究員は、世界の貿易環境がはっきりと回復しない限り、台湾は今後数年は低いGDP成長率が続くと予想した。
主計総処の予測によると、今年第1四半期のGDP成長率はマイナス0.64%で、3四半期連続でマイナス成長が続く見通しだ。その後は▽第2四半期、1.02%▽第3四半期、2.37%▽第4四半期、2.98%──の予測で、第1四半期が景気の谷底になるもようだ。
中国経済の減速がリスク
主計総処は今年のGDP成長率を左右する4つの不確定要素として▽中国経済の減速と紅色供給網の台頭▽企業のハードウエア投資縮小▽主要各国の金融政策が台湾の金融市場に与える影響▽原油価格の動向──を挙げた。
内需では、今年の個人消費の実質成長率見通しも1.36%へと、従来予測から0.4ポイント下方修正した。主計総処の石素梅主計長は、昨年の不景気で企業の今年の賃上げ意欲や上げ幅が軒並み低いこと、および金融市場の不安定な動きを下方修正の理由に挙げた。
一方、今年の民間投資の実質成長率見通しは1.98%へと従来予測から1.01ポイント上方修正した。半導体、モノのインターネット(IoT)関連の投資が今後も増える見込みである他、航空会社が機材購入を増やしていること、一部の電子関連企業が昨年の設備投資を今年に繰り延べるためだ。
【図】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722