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地震の途中下車で運賃過払い、高鉄に利用客不満


ニュース 社会 作成日:2016年2月24日_記事番号:T00062133

地震の途中下車で運賃過払い、高鉄に利用客不満

 6日未明に起きた台湾南部地震では、台湾高速鉄路(高鉄)は当初、台中以南の運行を見合わせ、午後4時に台中〜嘉義を修復して再開、翌7日もほぼ終日、嘉義以南で不通が続くなどダイヤに大きな乱れが出た。

 乗客の女性、呉さんは6日、板橋から嘉義まで高鉄で移動する予定だったが、地震によって台中での途中下車を余儀なくされた。高鉄は天災や設備の故障などで遅れが生じた場合、運賃の払い戻しに応じており、呉さんもカウンターで払い戻しを求めた。板橋〜嘉義の運賃は1,015台湾元(約3,400円)。板橋〜台中は645元のため、未使用区間分の370元の払い戻しを受けられると考えたが、高鉄側は台中〜嘉義の運賃は365元で、これに従うことが規定で決まっているとして365元を払い戻した。わずか5元とはいえ、台中以南の区間を利用していないのに余計に運賃を払った形となり、呉さんは納得がいかなかった。

 蘋果日報が、台北から南下するケースで、自由席乗車券の購入区間と途中下車駅別の45パターンを調査したところ、全体の27%で5〜10元の「過払い」が起きることが分かった。ほとんどが5元だが、嘉義までの乗車券を買って、苗栗か彰化で下車して払い戻しを受ける場合は10元を余計に払うこととなる。一方、台南までの乗車券で嘉義で降りる場合や、雲林・苗栗までの乗車券で桃園で降りる場合は、逆に下車駅までの運賃が10元安くなる計算だ。

 この問題について行政院消費者保護処(消保処)は、乗客の権益を損ねてはならないとして、高鉄側に文書で改善を求める考えを示した。消費者文教基金会(消基会)も、払戻金に違いが生じるのは不当だとして改善を求める立場を示した。

 高鉄はこれに対し、自由席に3%割引を適用しており、割引後の運賃価格の1桁を無条件に「0」か「5」に設定している関係で、最大10元の過払いが起きると釈明した。ただ、乗客から寄せられた不満に対しては、良い解決方法がないか検討していきたいとの姿勢も示した。