ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

白色テロ関連文書、憲兵隊が令状なし押収


ニュース 社会 作成日:2016年3月7日_記事番号:T00062324

白色テロ関連文書、憲兵隊が令状なし押収

 かつての国民党政権による政治的迫害(白色テロ)に関する文書3点をインターネット上で売買しようとしたところ、台北市憲兵隊に身柄を拘束された上、令状なしで自宅を捜索され、問題の文書を押収されるという白色テロ当時をほうふつとさせるような事件が起きた。7日付蘋果日報が伝えた。

 憲兵隊は2月19日、男性がオークションに出品したプーアル茶を落札し、男性が指定の引き渡し場所に現れるよう仕組んだ上で、私服の憲兵5人で男性を取り囲み、強引に車に乗せた。憲兵らは男性を自宅に連れて行き、令状なしの捜索で問題の文書を押収した。男性は引き続き、台北市憲兵隊で事情聴取を受け、任意で捜索に応じたことを示す同意書に事後に署名させられたという。

 憲兵隊はその後、3月1日になって男性を呼び出し、「国家に貢献したことに対する賞金」という不可解な名目で、口止め料と取れる1万5,000台湾元(約5万2,000円)を渡そうとしたが、男性は受け取りを拒否した。

 男性は「いきさつを振り返ると、まるで白色テロの再現だった」と語り、市民や政界からは「台湾はまだ戒厳令下にあるのか」といった批判の声が上がっている。

 国防部軍事新聞処は7日午前、臨時記者会見を開き、事件が社会の関心と論議を呼んだことを謝罪し、違法捜査の事実があれば、法的措置を講じると表明した。ただ、機密文書をインターネットで公に売買する行為は国家の安全に影響を与える恐れがあるとも指摘した。

 一方、憲兵指揮部は同日、令状なしでの捜索は、男性の同意を得ており、問題の文書も男性自らが取り出し、憲兵隊調査官に提出したもので、捜索活動によって押収したものではないと主張した。


憲兵指揮部は、調査は全て法的プロセスに基づいたものと強調した(6日=中央社)