ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

同性愛描いた中国ドラマ、視聴してうつ状態になる若者続出


ニュース 社会 作成日:2016年3月9日_記事番号:T00062374

同性愛描いた中国ドラマ、視聴してうつ状態になる若者続出

 今年1月末からインターネット配信が始まった、男子高校生の同性愛を描いた中国ドラマ「上瘾(病みつき)」が台湾でも話題となっている。しかしこのドラマを見た若者がうつ状態になり、精神科で診察を受けるというケースが相次ぎ、問題視されている。

 「上瘾」は第1話が配信された1月29日に早くも延べ1,000万人以上の視聴者を集め、その後、1週間に3話ずつ新たなストーリーが配信されていくとともに、中国だけでなく台湾、東南アジアからのアクセスも急増。「少年の純愛を描いた傑作」との評価が生まれ、11話まで進んだ2月21日時点で視聴者数は1億人を突破した。

 しかし、12話が配信された22日、突然中国ではまったく視聴できなくなり、ネットユーザーからは「同性愛を描いた内容が中国政府によって不適切と判断されたため」との見方が出ている。

 ただ台湾向け配信サイトではその後も最終話の15話まで視聴可能となっており、台湾のファンはこのドラマの結末を知ることができたようだ。

 ところが衛生福利部(衛福部)朴子医院(嘉義県朴子市)身心科(精神科)の蘇柏文医師によると最近、「上瘾」を見てうつ状態に陥ったという若者が相次いで6人、同科を受診。そのうち25歳の女性は、自分も「上瘾」の主人公のように情熱的に恋人に求められたいが、実際のボーイフレンドは優しくなく、遊び好きで、その不満を相手に伝えると大げんかになって別れることになったそうだ。そしてその後、睡眠薬なしでは夜眠れなくなったという。

 また22歳の男性は、ガールフレンドと別れた後、「自分には一生、本当の恋愛はできない」と感じていた時に「上瘾」を見たことでさらに気持ちが落ち込んでしまい、自殺したいとまで考えるようになったと打ち明けた。

 蘇医師は、こうした患者には専門家によるカウンセリングが必要と考え、朴子医院に恋愛問題を原因とするうつ病治療部門を開設した。患者を通院させ、定期的に医師に生活状況などを報告させることで孤独感の解消に努めており、徐々に改善が見えているそうだ。

 なお「上瘾」に限らず、毎日長時間、ドラマを見続けると、ストーリーに入り込みすぎて現実との境界が分からなくなるなど、精神衛生上、悪影響が出る可能性があるらしく、専門家はドラマの視聴時間について、「1日に3時間以内、1週間に5日以内」に抑えるほか、長時間ドラマを見る人はできるだけ屋外での活動を増やすよう提言している。