ニュース 電子 作成日:2016年3月9日_記事番号:T00062398
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)世界最大手、日月光半導体製造(ASE)による買収に反発する同業、矽品精密工業(SPIL)の馬光華広報担当は8日、買収が成立すれば、台湾の上場企業の時価総額が1,700億台湾元(約5,800億円)減少し、1,000億元以上が台湾株式市場から流出すると指摘。台湾の資本市場に重大な損失をもたらすほか、証券交易税の年間5億2,100万元の税収減につながると訴えた。9日付経済日報が報じた。
馬広報担当によると、2015年末時点のSPILの時価総額は1,630億元、同年の株式取引高は1,736億元となっている。
このほか馬広報担当は、大手IC設計業者はリスクを分散させるため、単一企業に対し一定比率以上の発注を行わない原則を採っており、ASEがSPILを買収すれば、顧客は中国の江蘇長電科技や同社が買収したシンガポールのスタッツチップパック、または米アムコア・テクノロジーに発注先を切り替えると指摘。流出する受注額は300億〜450億元に上ると主張した。
さらにASEとSPILでは非需要期の設備稼働率が80%に満たず、合併後は類似した生産ラインの撤廃が不可欠となり、1万2,000人の人員削減が予想され、大規模な人材および技術の流出が懸念されるとの見方を示した。影響は両社が材料や部品を調達する台中地区のサプライチェーンにも及び、2万4,000人が職を失うことになると警告した。
自救会、公平会に厳格審査要求
なおASEによるSPIL買収計画に対し行われている公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)による審査について、SPILの従業員で組織する自救会は8日、▽敵対的買収に関する法整備の不足▽拙速な審査▽公平会による工場視察がない▽研究機関による経済分析の欠如──など8項目の疑問点を挙げ、より厳しい審査基準を適用するよう求めた。
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