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クレーンゲームは賭博か、業者起訴で議論に


ニュース 社会 作成日:2016年3月10日_記事番号:T00062402

クレーンゲームは賭博か、業者起訴で議論に

 基隆市に無許可でゲームセンターを開業し、クレーンゲーム機を設置していた男(46)がこのほど、電子遊技場管理条例違反と賭博罪で検察によって起訴された。客が欲しいと思った商品をクレーンゲームで手に入れるには技術だけでなく、運が必要となるためギャンブルに当たるということだが、「それなら夜市(ナイトマーケット)の射的や輪投げゲームも違法なのか」と議論が巻き起こっている。

 被告の男は3年前、基隆市に24時間営業のゲームセンター2店を開設。店内にクレーンゲーム機11台を設置した。しかし、無許可で営業していたこともあって今年初めに警察に検挙された。

 さらに検察は、クレーンゲームは客が10台湾元を使い、100元以上の価値のある商品を獲得できる可能性がある一方、商品が手に入るとは保証されていないため、客に品物を引き渡すことなく経営者が「総取り」する可能性もあり、ギャンブルと変わらないと判断。賭博罪で業者を起訴した。

 しかし、台湾では街中に数多くのクレーンゲーム機が設置されており、必ず商品を獲得できるとは保証されていないが、これまで賭博罪で検挙されるというケースはなかった。

 今回の起訴に対し、ある裁判官は「クレーンゲームの中に対価に比べて高価な商品を入れることは、賭博の要件である『射幸心を刺激する』を満たすが、こういったゲームは客に一時的な娯楽を提供するにすぎず、司法の介入には議論の余地がある」と疑問視している。

 また夜市にはおもちゃの鉄砲で水風船を割り、割れた数に応じて賞品を獲得できる射的ゲームなど、クレーンゲームと同様に賞品獲得が保証されていないゲームが当たり前のように存在するが、これまで数多くの賭博事件を手掛けた警察官は「賭博行為には必ず胴元と賭けをする客が存在するが、夜市のゲームで遊んだ小学生も逮捕するのか」と指摘した。今回の起訴は少々無理があるようで、有罪判決が下る可能性は低いようだ。