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Q2ノートPC出荷台数、バッテリー不足で15%減も


ニュース 電子 作成日:2008年3月20日_記事番号:T00006248

Q2ノートPC出荷台数、バッテリー不足で15%減も

 
 韓国LG化学のパソコン用電池の生産拠点で今月4日に起きた火災により、ノートブック型パソコン(ノートPC)用バッテリーの供給不足が拡大していることを受け、第2四半期のノートPC出荷量が前期比で10~15%減少するという見方が業界内で出ている。華碩電脳(ASUS)は、Eee PCの年間出荷目標を500万台に設定しているが、達成できるかどうかはバッテリーの供給回復が鍵となりそうだ。20日付工商時報が報じた。

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 LG化学のノートPC用リチウムバッテリーの月産能力は1,200万~1,300万個だが、火災により生産ラインの大部分が停止した。第2四半期には、松下電池工業で昨年9月に起きた火災の影響から回復し、ノートPC用バッテリーの供給不足も解消に向かうと予想されていたが、その見通しが崩れた格好だ。

調達先の奪い合いに

 華碩の施崇棠董事長は、Eee PCのウインドウズXP版発売記者会見で、「現在の供給不足により、第2四半期のノートPCの出荷におそらく影響が出る」と語り、供給確保に全力を尽くすとの姿勢を示した。張偉明同社財務長(CFO)は、4月の業績説明会のころにはその影響の度合いが明確になると話している。第1四半期のEee PC出荷にも既にバッテリー不足の影響が出ており、台数は65万~70万台にとどまっている。

 コンシューマ向け機種でLG化学のバッテリー採用比重が高い、ノートPC世界最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)は、最も影響が最も大きいとみられている。同社は先ごろ、アナリストに対し第2四半期の出荷量が前期比でマイナスとなる可能性を示唆した。 アナリストは、供給不足から調達先の奪い合いが起きて、他のメーカーにもある程度影響が出るため、これまで一貫して出荷の伸びが続いてきたノートPCについて、今年は見方を変える必要があると指摘している。

 域内のノートPC関連サプライチェーンも、短期的には出荷が減少するとみられ、現在、IC設計など川上の関連メーカーなどで第2四半期の受注が減少するなどの観測が伝えられている。

「ノートPC需要は堅調」

 ただ、ノートPCは米国サブプライムローン問題により消費者の購入意欲に影響が出ると懸念されていたが、第1四半期の出荷台数はまずまずの成長を見せている。ノートPCがデスクトップ型に取って代わる傾向に変化はなく、需要は堅調を維持するため、工商時報によると、第2四半期の減少幅はそれほど大きなものにはならない見通しだ。

HP、中国に新たな調達先

 また、業界では、HPはバッテリー不足を受け、中国のリチウムバッテリーメーカー、比克(BAK)からバッテリーセルの調達を開始するとの観測が出ている。両社は昨年既に提携の覚書を交わしている。HPにバッテリーモジュールを供給する台湾の新普科技(ダイナパック)、順達科技、加百裕工業なども既にBAKに対する認証を済ませ、出荷の準備は整っているとも伝えられる。