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国民党のプリンス、総統への歩み


ニュース 政治 作成日:2008年3月23日_記事番号:T00006294

国民党のプリンス、総統への歩み

 
 総統の座に登りつめた馬英九氏は「国民党のプリンス」と呼ばれる存在だ。ハンサムで穏やかな語り口、流ちょうな英語など有権者の好感度が高く、国民党が政権を奪還するには馬氏以外の人選は考えられなかった。
 
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 馬氏は1950年に国共内戦を逃れた先の香港で生まれ、2歳のときに家族で台湾に移り住んだ。父親の故馬鶴凌氏は中国湖南省出身の外省人だ。72年に台湾大法学部を卒業し、兵役後の74年に米国に留学。81年に名門ハーバード大の法学博士号を取得した。同年に帰国後は、総統府で蒋経国総統(当時)の英文秘書に抜てきされ、国民党副秘書長、行政院大陸委副主任委員、法務部長など出世街道を順調に歩み続けた。

 そして、98年の台北市長選で民進党の陳水扁市長(当時)を破り、06年まで同市長を2期務めた。

 しかし、華やかなイメージとは裏腹に施政実績にはやや不安も残す。台北市長在任中は大型台風で対策の遅れからMRT(都市交通システム)の線路が冠水し長期運休を招いたほか、新型肺炎(SARS)への対応が後手に回り、和平医院での大規模な院内感染を招くなど、危機対応能力のなさも露呈した。

 また、07年2月には市長在任中の特別費不正流用疑惑で起訴され、一、二審では無罪判決を受けたものの、それまでのクリーンなイメージが傷付いた。

 国家アイデンティティーをめぐっては、過去に「一つの中国」を強く主張してきた経緯があり、民進党支持層など「本土派」勢力からは「統一派」というレッテルを張られている。また、台湾語は苦手だったが、必死の特訓を重ね、今回の選挙戦でも多くの会場で台湾語で有権者に語り掛けた。

 日本との関係では、学生時代に日台断交時の反日デモや尖閣諸島(台湾名・釣魚台)の領有を主張する運動に参加したこともあるだけに、台湾の「親日的」なイメージとはやや異なる一面もある。

 周美青夫人との間に娘2人。57歳。