ニュース 電子 作成日:2016年3月15日_記事番号:T00062994
発光ダイオード(LED)最大手、晶元光電(エピスター)が中台の工場計2基を閉鎖し、同社のMOCVD(有機金属気相成長法)装置の4分の1に当たる生産能力を利用していないと明かした。過去最大規模の減産だ。中国メーカーが政府の補助金で投資を拡大、供給過剰で値下げ競争が激化した上、昨年下半期からLED景気が急速に冷え込み、LED照明価格は3割下落。同社は通年で過去最悪となる30億1,900万台湾元(約105億円)の最終赤字に転落した。15日付工商時報などが報じた。
エピスターは、MOCVD装置を500台保有しており、うち450台は青色LED、50台は4元LEDの生産が中心だ。璨円光電(フォルモサ・エピタキシー)買収などにより、エピスターの工場は台湾8カ所に増えており、初めて一部工場の閉鎖、老朽化した装置の処分に踏み切った。
Q4赤字、26億元に倍増
同社が14日発表した昨年第4四半期の純損失は26億5,900万元で、前期の10億3,600万元から2倍以上に拡大した。昨年通年の連結売上高は前年比7.95%減の255億1,000万元で、粗利益率はわずか0.48%、営業損失率は13.76%だった。
同社は、一連のM&A(合併・買収)を受け、昨年第4四半期に資産の減損処理で数億元、在庫の評価損で4億~5億元を計上したため、損失が拡大したと説明した。ただし、在庫残高は65億7,300万元と前期の77億6,100万元より15%低下したと指摘した。
張世賢財務長は、昨年第4四半期の設備稼働率は70%以下まで低下したと述べた。LEDバックライト需要が悪かったほか、LED照明が供給過剰で値下げ競争に発展したことも業績悪化の理由と指摘した。
張財務長によると、同社売上高の主力は照明で30~40%を占め、▽テレビ用バックライト、15%▽モバイル端末用バックライト、10~15%▽ディスプレイ、10~15%──。
低価格受注を削減
張財務長は、同社業績は昨年第4四半期が谷底とみられ、第2四半期は単月で黒字転換すると予測した。
同社は今年第1四半期より、低価格での受注をやめ、低単価の製品の供給量を減らしている。2月は春節(旧正月)連休があり、稼働率は低かった。ただ、現在の受注を見ると、テレビ向けLEDの在庫積み増し需要は急増しており、屋内用、屋外用看板向けLED需要も増え続けている。このため、3月に稼働率は上昇する見通しだ。
【図】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722