ニュース 電子 作成日:2016年3月16日_記事番号:T00063019
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)と半導体の知的財産(IP)大手、英ARMは15日、7ナノメートル立体構造トランジスタ(FinFET)プロセス技術で協力すると発表した。次世代の低消費電力・高性能計算SoC(システム・オン・チップ)設計ソリューションなどで提携し、先進プロセス技術の応用先をモバイル端末から次世代ネットワークとデータセンターに広げる。TSMCは7ナノ技術で世界の先頭に立ち、クアルコムの受注をサムスン電子から取り戻す構えだ。16日付工商時報などが報じた。
TSMCとARMは16ナノ、10ナノFinFETプロセスでも提携しており、その延長線上で7ナノFinFETプロセスでも技術提携を行う。
ARMエグゼクティブ・バイスプレジデントのピーター・ヒュットン氏は「データセンターとネットワークインフラに特化し、TSMCの7ナノFinFETプロセスに最適化した今後のARM技術により、双方の顧客があらゆる性能の製品で業界最低消費電力のアーキテクチャーを使用できるようになる」と説明した。
TSMCの侯永清・研究開発(R&D)副総経理は「7ナノFinFETプロセスは10ナノFinFETプロセスと比べ、同じ消費電力でより優れた性能を実現できるため、顧客が設計する次世代の
高性能計算SoCは当社の7ナノFinFETプロセスの恩恵を受けることになる。ARMと当社が共同で最適化したソリューションは、顧客が業界初の革新的製品を開発することを可能にする」と述べた。
インテルに追い付く
業界関係者は、TSMCは7ナノプロセスの開発進度でインテルに追い付いていると指摘。工商時報によると、TSMCの7ナノプロセスは2018年上半期に量産予定だ。
TSMCは16ナノプロセスの量産時期がサムスン電子の14ナノプロセスより約半年遅れた影響で、クアルコムの受注がサムスンに流れた。クアルコムは10ナノプロセスでもサムスンを採用するとみられる。外資系証券会社は、クアルコムはもともとTSMCの大口顧客で、サムスンに受注が流れたことでTSMCは売上高を大きく減らしたが、7ナノFinFETプロセスで受注を取り戻せると予想した。
メディアテックとIoT攻略
TSMCは同日、IC設計大手の聯発科技(メディアテック)と、ファウンドリーと顧客の関係から長期的なパートナー関係に高めると宣言した。メディアテックは今後もTSMCの超低消費電力(ULP)技術プラットフォームを採用して、モノのインターネット(IoT)やウエアラブル(装着型)端末向け革新製品の開発を進める。
メディアテックはTSMCの55ナノメートルULP技術を利用して開発した、フィットネス用スマートウオッチ向けチップセット「MT2523」を今年1月に発表した。メディアテックの徐敬全副総経理は「『MT2523』の成功に続いてTSMCと協力できることをうれしく思う」と話した。
TSMCの金平中・業務開発副総経理は「メディアテックとの提携により、当社のULP技術はさらに進化し、最も競争力の高いIoT製品ソリューションを提供できるようになる」と期待感を示した。
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