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日台鉄道交流、台鉄に「創意工夫なし」の批判


ニュース 社会 作成日:2016年3月16日_記事番号:T00063037

日台鉄道交流、台鉄に「創意工夫なし」の批判

 2012年以降、台湾鉄路(台鉄)は日本の鉄道会社14社と相次いで友好協定を締結し、交流を深めている。しかし日本側が記念ラッピング列車の運行や優待切符の発売などさまざまな趣向を凝らしたキャンペーンを打ち出しているのに対し、台鉄は記念きっぷの発売くらいで、台湾の鉄道ファンからは「友好協定の意味がない」などと批判の声が上がっている。

/date/2016/03/16/20railway_2.jpg 台鉄平渓線と江ノ電の「台日鉄道観光パスポート」は、割引クーポンのほか、観光名所の紹介も掲載している(15日=中央社)

 昨年2月に台鉄と友好鉄道協定を締結した京浜急行電鉄(京急)は当時、羽田空港に台鉄関連の展示ブースを設置したほか、鉄道をテーマとする台湾ツアーを企画するなど、訪台観光客の増加に貢献。さらに今年2月にも、締結から1週年を記念して台鉄の普快車両を模したラッピング列車を運行し、日本で話題を呼んだばかりか、同列車に乗車しようと訪日する台湾鉄道ファンも多く、大きなPR効果を挙げた。

 また13年に提携を結んだ台鉄・平渓線(新北市)と江ノ島電鉄(江ノ電、神奈川県)は一方の使用済み1日乗車券を持参すると相手方の1日乗車券に無料で交換できるキャンペーンを実施した。しかし、江ノ電が台鉄や台湾観光関連の画像であふれたラッピング列車を運行したのに対し、台鉄は特別な趣向は用意せず、多くの鉄道ファンは「創意工夫が見えない」と指摘している。

 鉄道関連の著作も多い師範大学地理系の洪致文教授は、台鉄が2カ月に1本、日本の鉄道のラッピング車両を運行すれば日本から鉄道ファンや一般観光客を呼び込めると提言。ある鉄道ファンは、日本の鉄道会社は地方自治体と提携してマーケティング活動を展開して台湾からの観光客呼び込みに成功しているが、台鉄は交通部観光局や地方政府と協力しておらず、協定締結の効果が小さいと指摘している。

 これに対し、台湾鉄路管理局(台鉄局)の周永暉局長は、日本市場開拓で観光局と数多くの提携計画を実施していると反論する。その上で今月末に期限を迎える平渓線と江ノ電と1日乗車券交換サービスを5月1日からアップグレードし、同サービス利用客に対し、沿線商店などで利用できる割引クーポン付き「台日鉄道観光パスポート」を贈呈するプロジェクトを明らかにし、今後、効果的なマーケティングに努める姿勢を示した。