ニュース 政治 作成日:2016年3月18日_記事番号:T00063070
中国は17日、台湾が13年11月に断交した西アフリカのガンビアとの国交回復を発表した。蔡英文次期政権への圧力が狙いで、蔡氏が「一つの中国」を受け入れない場合、過去8年間の「外交休兵」を終わらせ、台湾との承認国獲得競争を再開するとのメッセージが込められているとみられる。蔡政権時代に台湾が再び「断交ドミノ」に見舞われることを予感させる動きだ。18日付聯合報などが報じた。
国交回復声明に調印したガンビアのネネ・マクドゥアル・ガイ外務大臣(左)と中国の王外交部長(右)(中国外交部リリースより)
馬英九政権は「1992年の共通認識(92共識)」の枠組みの下、中国と国際社会での承認国の獲得競争を休止していた。ガンビアが13年に一方的に台湾との断交を宣言し、中国との国交回復を求めた際も、中国は台湾から承認国を奪ったと受け止められるのを避けるため拒否していた。蔡政権の誕生が決まったタイミングで同国との国交を回復したことは、「外交休兵」を終了させる意図の表明に他ならないとみられる。
同日付蘋果日報によると、中国側がガンビアとの国交回復を台湾に通知したのは発表6時間前の午後1時前後で、夏立言行政院大陸委員会(陸委会)主任委員が詳しい説明を求めるべく、昨年12月に開通した中台間のホットラインで張志軍・国務院台湾事務弁公室(国台弁)主任との対話を要求したものの、不在を理由に拒否された。中国の態度は極めて非友好的だった。
外交関係のある中米のベリーズを訪問中の馬総統は、「極めて不適当なタイミングでの国交回復であり、強い不満を覚える」と発言した。外交部も遺憾声明を発表し、中国の台湾に対する外交圧力を注視し続ける方針を示した。行政院大陸委員会(陸委会)は、過去8年間の中台の平和的発展に逆行するもので、今後の中台関係に大きな影響を与えると批判した。
「中国の態度悪化」
台湾は現在、アジア太平洋、アフリカ、中南米、欧州の計22カ国と外交関係を持つ。中国が再び承認国争奪戦を仕掛けた場合、台湾は中米のグアテマラ、ニカラグア、パナマなど5カ国と、アフリカの3カ国を失う可能性が高いとみられている。
国家安全局の楊国強局長は17日、中国にとっては「一つの中国」の承認が最低ラインであることに変わりはなく、中国の態度はもはや以前のように穏やかでないと指摘した。その上で、蔡政権が今後も「92共識」を認めなければ、中国は国際社会での外交圧力、中台間の対話メカニズム中断、中国人の台湾訪問禁止といった措置を取ってくる可能性があると警鐘を鳴らした。
ただ台湾には、台湾を承認する国はもはや国際社会で力を持たない国ばかりのため外交関係は意義を失っており、米国、日本、欧州との実質的関係を強化していけば十分といった声もある。
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