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手錠を付けた逃亡犯、別の警察官が知らずに解錠


ニュース 社会 作成日:2016年3月18日_記事番号:T00063087

手錠を付けた逃亡犯、別の警察官が知らずに解錠

 新北市でこのほど、窃盗などの容疑で逮捕された男が、警察官の隙を突いて手錠をかけられたまま逃亡した。その後、最初に彼を取り逃がした警察官が報告を怠ったことから、再び別の派出所で取り調べを受けることとなった男が「拉致された」とついたうそを同所の警察官が信じ込み、手錠を外して釈放してしまうという失態が起きた。

 今月4日早朝、新北市警察局海山分局新海派出所(板橋区)の警察官は、盗難バイクに乗っていた男(54)を逮捕した。派出所で手錠の片方を壁に固定して取り調べを行っていたところ、男が体調不良を訴えたため、彼の手錠を壁から離し、両手に掛ける形に変更した。これで移動の自由を取り戻した容疑者は警察官が居眠りをしていた隙を見て脱走。手錠を広告で隠し、タクシーに乗って逃げ去った。

 その後、男は林口区へ向かい、知人が経営する鉄工所で手錠を外すための道具を借りようとしたが、男が手錠を上着で隠していたことに違和感を感じた経営者は道具の貸し出しを拒否した上で警察に通報した。

 さらにこの経営者は周囲の同業者に連絡して男に協力しないよう事情を説明。自らは鉄工所から出て行った男をバイクで追跡した。しかし、駆け付けた林口分駐所の警察官に対し男は、「金の貸し借りで友人とトラブルになって拉致された」とうその説明をして被害者を装った。

 警察官はその話に半信半疑だったことから指揮センターに問い合わせをしたが、「容疑者が脱走したとの報告は入っていない」との答えが返ってきたことから男の手錠を外し、被害者として調書を作成した上で釈放せざるを得なかった。

 その直後、手錠を付けた男が見つかったとの情報を知った新海派出所の警察官があわてて林口分駐所に駆け付けたが、既に男の姿はなかった。

 結局、男は11日間の逃亡の末に逮捕されることになったが、今回の大失態に新北市警察局長は激怒、容疑者を取り逃がした上、報告を怠った警察官は警備部門に配置換え、海山分局長、新海派出所長も監督責任を問われて処分を受けた。