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耳かき一筋60年、一家10人を養う


ニュース 社会 作成日:2016年3月23日_記事番号:T00063164

耳かき一筋60年、一家10人を養う

 台北市で60年にわたり「耳かき店」を営む姚賓さん(84)は、客の耳をきれいにすることで一家10人を養ってきた。長年の間に磨かれた彼の熟練技術は客から「まるで天国にいるようだ」と称えられており、その気持ちよさに台湾人だけでなく日本人をはじめ大勢の外国人観光客も店を訪れている。

 姚さんは若いころ、雲林県の理髪店で修行していた際に、散髪、ひげそり、耳かきと一通りの技術を習得した。彼はなぜか耳そうじが気に入り、仕事が終わった後、いつも練習台となる人を見つけて腕を磨き、ついに独自の「清涼耳かき術」を編み出した。

 清涼耳かき術といっても、まず客の耳の中に清涼感のある軟こうを塗り、耳かき棒とピンセットで耳垢を取り出すというだけのもの。姚さんの評判はやはり、自身の技術に頼るところが大きいようだ。

 耳そうじ専門職人となった姚さんだが、雲林県では耳かきだけで妻と8人の子供を養うことができず、1957年に台北で店を出すことを決意。小さな店舗内に思い切って中古で購入した歯科用のいすを置き、1回20台湾元で営業を開始した。

 台湾の高度経済成長に伴い、姚さんの耳かき店は高級美容室と同様の扱いを受けるようになり、耳をきれいにしたいという客が大勢やってくるようになった。さらに彼の技術は日本人観光客にも知られるようになり、日本メディアから取材を受けたこともある。

 現在、姚さんは万華区のビルの1室に店を構えており、料金は600元まで上昇しているが、変わらぬ繁盛ぶりを見せている。

 実際に蘋果日報の記者が姚さんの耳かき術を体験したところ、その耳かき棒の繊細でソフトな動きに、まるで小さいころに母親に耳掃除をしてもらったときのような安心感を抱いたそうだ。しかも約20分ほどかけて耳垢をとってもらった後、電話で相手の声がはっきりと聞こえるようになった気がしたという。

 そんな名人級の耳かきを一度味わってみてはいかがだろう。