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中研院長、娘のバイテク企業株保有が物議


ニュース 医薬 作成日:2016年3月24日_記事番号:T00063173

中研院長、娘のバイテク企業株保有が物議

 中央研究院(中研院)の翁啓恵院長が「台湾のバイオテクノロジー企業の株式は保有していない」と重ねて説明していたにもかかわらず、娘の翁郁琇氏が2012年に台湾浩鼎生技(OBIファーマ)の株式を取得し、一時大株主になっていたことが判明し、物議を醸している。24日付経済日報が伝えた。

/date/2016/03/24/09obi_2.jpg国民党立法委員党団(議員団)は、海外にいる翁啓恵院長に対し、即刻台湾に戻って事情を説明するよう呼び掛けた(24日=中央社)

 翁郁琇氏はOBIが興櫃市場(未公開株取引市場)に登録される以前の12年12月、潤泰集団(ルンテックスグループ)からOBI株300万株を9,300万台湾元(約3億2,000万円)で取得していた。翁郁琇氏は2年後に持ち株を193万株余りにまで減らし、1億3,000万元の売却益を得た。

 疑惑のポイントは、▽画家で経済力に乏しい翁郁琇氏による株式取得資金の出所が翁啓恵院長だったのではないか▽翁郁琇氏がなぜOBI株を取得できたのか▽翁啓恵院長はなぜ家族によるOBI株保有の事実を明らかにしてこなかったか▽翁郁琇氏がその後、OBI株を売却した事実を翁啓恵院長が知っていたか──などだ。

 曽銘宗立法委員(国民党)は「事実だとすれば、翁院長が辞任すれば済む問題ではない」と指摘した。

 OBIの株主にはこのほか、蔡英文次期総統の兄、蔡瀛陽氏、タレントの小S(本名・徐熙娣)の義父、許慶祥氏ら有名人多数も名を連ねている。

 OBIの親会社であるルンテックスグループの尹衍樑(サミュエル・イン)総裁は23日、「政治闘争がバイオテクノロジーの発展を妨げることがないよう望んでいる。そうなれば台湾にとってメリットはない」とコメントした上で、4年前にOBIを翁郁琇氏らに売却した価格が安過ぎるとの指摘については、「興櫃市場にも登録しておらず、参考価格もない段階のことだ。価格はコストを反映しただけで、誰かに利益供与を行おうとしたわけではない」と主張した。