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住宅ローン規制緩和、建設業界は景気底打ちに期待感


ニュース 建設 作成日:2016年3月25日_記事番号:T00063193

住宅ローン規制緩和、建設業界は景気底打ちに期待感

 中央銀行(中銀)は24日、利下げと高級住宅を除く住宅ローンの規制撤廃を発表した。彭淮南総裁は、2010年6月の規制開始以来、ローン金利が上昇、住宅価格が下落、投機が非常に少なくなるなど成果を挙げたためと説明した。建設業界は、景気底打ちのチャンスと歓迎ムードだ。5月20日の新政権誕生を前に、住宅市場から台湾経済振興を図る。25日付工商時報などが報じた。

/date/2016/03/25/00bk_2.jpg彭中銀総裁(左2)は話題のマイナス金利について、任期内の導入は考えにくいと述べた(24日=中央社)

 中銀は24日の理監事会で、政策金利を1.5%へと0.125ポイント引き下げた。昨年第3四半期以降で3回目の利下げで、10年12月末以来の低水準だ。

 不動産ローンの規制撤廃は、▽特定地区(台北市と新北市15の行政区)の住宅購入に対する融資(担保)比率(物件価格に対する借入額の割合、LTV)上限60%▽自然人による3戸目以上の住宅購入に対する融資比率上限60%▽企業による住宅購入に対する融資比率上限60%▽土地担保融資の融資比率上限65%など──を撤廃する。昨年8月に新北市八里区、鶯歌区、桃園市の桃園区、蘆竹区、中壢区、亀山区の住宅購入に対する融資比率上限を撤廃しており、2度目の規制緩和だ。

 ただし、12年6月に開始した高級住宅購入に対する融資比率上限60%は維持する。高級住宅の定義は、▽台北市、7,000万台湾元(約2億4,000万円)以上▽新北市、6,000万元以上▽その他、4,000万元以上──。

 彭総裁は、住宅ローン規制実施で、特定地区での住宅ローンの新規引受の割合は64.99%から40.78%に下がり、規制対象地域の融資比率は60%以下(57.21%)に低下、住宅ローン金利は2%以上(2.07%)に上昇したと指摘した。高級住宅は融資比率が56.48%に低下、金利は1.94%に上昇したが、新規引受に占める割合が依然高いので、撤廃を見送ったと説明した。

ローン返済、月165元減少

 住宅専門誌「住展雑誌」の統計によると、不動産業界のキャンペーン期間「329檔期」(3月1日~4月30日)の北部での物件発売総額は1,742億元で前年比13%減少する見通しだ。ただ台北市の高級住宅は615億元で44%増の予測だ。

 大陸建設(コンチネンタル・デベロップメント)の張良吉董事長は、政府が住宅投機抑制策を取っているうちは消費者も住宅を買うに買えなかったが、利下げと住宅ローン規制緩和で、成約件数が徐々に増えると予測した。冠徳建設(キンドム・コンストラクション)の馬玉山董事長は、既に住宅市場から投機目的の売買が減少、自己居住用が中心になっており、低金利で消費者のローン負担が軽減するなら、12年から続く景気低迷から脱すると予想した。

 永豊銀行(バンク・シノパック)の陳亭如副総経理は、利下げで住宅ローンの金利が0.07~0.08ポイント下がると指摘した。返済期間20年、500万元の住宅ローンで、金利が2%から1.93%に下がれば、毎月の返済額が165元減少すると試算を示し、金額は小さいがないよりましだと話した。